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前編
しおりを挟む「あんたのそのつの無理だよ、やっぱり」
「え……」
「だから、人外みたいだから無理なんだって。てことで、婚約は破棄な」
小さなつのがおでこから生えている、鬼族とのハーフでもある娘レディッチ。
彼女は今まさに婚約者ロクから婚約破棄を告げられるという瞬間を迎えている。
その紅の瞳は衝撃と絶望に染まっている。
日頃は柔らかくほんのり赤らんでいる頬にすら色がなくなって。
「そんな……」
「もういいだろ! しつこいやつは嫌いだ」
「でも……」
「さっさと消えろって! ……あーあ、もっと嫌いになったわ」
こうしてレディッチは関係を一方的に解消された。
それからしばらくレディッチは泣いて暮らしていたけれど――ある時おでこにつのの生えた女性と結婚すると大金持ちになれるという噂が流れるようになって、世間においてのつの持ち女性の扱いが変わった。
彼女にも婚約希望者が大量に現れる。
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