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前編
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「この川、ホントきれいだよね」
「だよな~」
「毎日眺めていたいくらい」
「同感同感」
それは今から十年以上前の記憶。
当時私には仲良かった近所の男の子がいて、彼とよく遊んでいた。
確か名はクルルといった。
基本的に遊んでいたのは村の公園。でもその公園のすぐ傍にとても美しい川があって、それを眺めに行くこともあった。濡れるので、さすがに川に入ることはしなかったけれど。
時は流れ、いつしか彼と遊ぶこともなくなった。
ただ、今でもたまに、ふと思うことがある。
彼は今どこにいてどうしているのだろう? と。
◆
二十歳の春。
「悪いけど、お前と一緒になんて生きていかないから」
婚約者ボーロイスから告げられる。
「婚約、破棄するから」
親が決めた婚約者ボーロイス。
近い家柄の出ということもあって感覚が近いところもあった。
だから嫌な感じばかりではなかったのだ。
彼がどうかは知らないけれど、少なくとも私は彼に対して好感を抱いていた。
「俺は俺が愛する人と出会った時に結婚する。俺の人生だからさ、やっぱりそうじゃないとな。思ったんだ。一瞬でも親に従ったことが恥ずかしいよ。でも、だからこそ、俺はここではっきりと宣言することにした。俺の人生は俺が決めるのだ、と」
けれども関係は続くことなく。
「そんな……あまりに急で」
「お前だって好きでもない男と生きるのは嫌だろ?」
「……そんなこと」
「ま、とにかく、俺は絶対に嫌なんだ。だから、ここでお別れだな。ばいばい」
これからどうしよう。
そんな言葉ばかりが脳内をぐるぐる回る。
「だよな~」
「毎日眺めていたいくらい」
「同感同感」
それは今から十年以上前の記憶。
当時私には仲良かった近所の男の子がいて、彼とよく遊んでいた。
確か名はクルルといった。
基本的に遊んでいたのは村の公園。でもその公園のすぐ傍にとても美しい川があって、それを眺めに行くこともあった。濡れるので、さすがに川に入ることはしなかったけれど。
時は流れ、いつしか彼と遊ぶこともなくなった。
ただ、今でもたまに、ふと思うことがある。
彼は今どこにいてどうしているのだろう? と。
◆
二十歳の春。
「悪いけど、お前と一緒になんて生きていかないから」
婚約者ボーロイスから告げられる。
「婚約、破棄するから」
親が決めた婚約者ボーロイス。
近い家柄の出ということもあって感覚が近いところもあった。
だから嫌な感じばかりではなかったのだ。
彼がどうかは知らないけれど、少なくとも私は彼に対して好感を抱いていた。
「俺は俺が愛する人と出会った時に結婚する。俺の人生だからさ、やっぱりそうじゃないとな。思ったんだ。一瞬でも親に従ったことが恥ずかしいよ。でも、だからこそ、俺はここではっきりと宣言することにした。俺の人生は俺が決めるのだ、と」
けれども関係は続くことなく。
「そんな……あまりに急で」
「お前だって好きでもない男と生きるのは嫌だろ?」
「……そんなこと」
「ま、とにかく、俺は絶対に嫌なんだ。だから、ここでお別れだな。ばいばい」
これからどうしよう。
そんな言葉ばかりが脳内をぐるぐる回る。
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