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前編
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オルヴァンと婚約したその日から、私は、彼の家で暮らさなくてはならなくなった。
彼と彼の母親と私。
三人での生活だ。
そこで私はオルヴァンの母親から嫌がらせを受けた。
また、彼女は婚約者というものを奴隷か何かと勘違いしているようで、私が少しでもじっとしていると激怒する。
私がじっとしていれば「働きなさいよ、嫁でしょう!?」と言ってくる。
私が働いていれば「とろいのよあなた! もう余計なことばかりしないで!」と言ってくる。
とにかく理不尽だった。
だが、ある日、そんな私のもとへ救いの手が差し出される。
「親御さんから聞いて助けに来たんだ、家から出られないみたいだね?」
ある日、オルヴァンとその母親が出掛けるからと自室に監禁されていた私の前に、一人の青年が現れた。
「は、はい……しかし、貴方は……」
「助けに来たよ。一緒に逃げよう。あ、もしかして、怪しいと思ってる?」
「すみません、その……失礼な、ことを……」
「ま、仕方ないよね。いきなりだし。ごめんね急に」
「いえ……」
彼は私の身を自由にしてくれて。
「さ、行こう」
私を屋敷の外へと連れ出してくれた。
アルクと名乗る彼は、便利屋をしている人らしい。今回は、婚約者と住むようになってから色々おかしい、と私の父から連絡があり、私の様子を見に行く仕事を受けたそうだ。また、できれば連れ帰ってほしい、という話もあったようだ。
「怒られませんでしょうか……」
「怒られ、って。その感じだと、婚約者と仲良く暮らしていたわけではないのかな?」
「はい、強制されたのです……同居するように、と」
「そうだったんだ。それは辛かったね」
アルクの優しさに、私は泣いてしまった。
彼と彼の母親と私。
三人での生活だ。
そこで私はオルヴァンの母親から嫌がらせを受けた。
また、彼女は婚約者というものを奴隷か何かと勘違いしているようで、私が少しでもじっとしていると激怒する。
私がじっとしていれば「働きなさいよ、嫁でしょう!?」と言ってくる。
私が働いていれば「とろいのよあなた! もう余計なことばかりしないで!」と言ってくる。
とにかく理不尽だった。
だが、ある日、そんな私のもとへ救いの手が差し出される。
「親御さんから聞いて助けに来たんだ、家から出られないみたいだね?」
ある日、オルヴァンとその母親が出掛けるからと自室に監禁されていた私の前に、一人の青年が現れた。
「は、はい……しかし、貴方は……」
「助けに来たよ。一緒に逃げよう。あ、もしかして、怪しいと思ってる?」
「すみません、その……失礼な、ことを……」
「ま、仕方ないよね。いきなりだし。ごめんね急に」
「いえ……」
彼は私の身を自由にしてくれて。
「さ、行こう」
私を屋敷の外へと連れ出してくれた。
アルクと名乗る彼は、便利屋をしている人らしい。今回は、婚約者と住むようになってから色々おかしい、と私の父から連絡があり、私の様子を見に行く仕事を受けたそうだ。また、できれば連れ帰ってほしい、という話もあったようだ。
「怒られませんでしょうか……」
「怒られ、って。その感じだと、婚約者と仲良く暮らしていたわけではないのかな?」
「はい、強制されたのです……同居するように、と」
「そうだったんだ。それは辛かったね」
アルクの優しさに、私は泣いてしまった。
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