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後編
しおりを挟む……その後は体調を崩したけれど。
それでもいろんな人たちに支えられて、二人から慰謝料を取れるだけ取って別れることができた。
すべては順調だ。
悩みは解決した。
だからもう大丈夫――たとえ今はまだ体調が優れなくとも、夢も希望もある。
死ぬわけではないし、消えるわけでもないのだ。私はこれからも生きてゆく。これまでと変わらず歩んでゆく。だからこそ、どこまでも、光を求めていたいしその存在を信じていたい。
彼がいなくなってしまってもきっといつかはその席に誰かが座るだろう。
そう信じることが未来を創ってゆくのだ。
裏切る人は捨ててしまおう。
必要のないものは切り落として進もう。
◆
朝が来る。
穏やかな朝。
愛しい人と隣り合える目覚め。
「おはよう」
「……ええ、おはよう」
あの後私はとある講演会にて知り合った青年と結婚した。
今は彼と共に同じ屋根の下で暮らしている。
夫婦という特別な関係の人と共に同じベッドで目を覚ませる幸せ――細やかな幸福をどこまでも感じ抱いていたい。
「今日も良い朝だね」
「ええ」
「君がいるからかな?」
「……ちょっと冗談が激しいわね」
起き上がるまでに交わす小さな言葉、それすらも愛おしい。
「冗談じゃないよ!?」
「本気で言っていたの」
「もちろんだよ!」
「そう……なら良かったわ、ありがとう愛してる」
ちなみにルトインはというと。
あれから何人もの女性と交際するもそのたびに浮気してしまい破局してしまい、最終的には悪い噂が流れてまともな女性からはまったく相手にされないようになっていったそうだ。
で、今は、心折れた状態で一人寂しく生きているらしい。
◆終わり◆
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