魔法が使えても家が裕福でないために人々から見下されてきたのですが、婚約破棄された翌日まさかの展開が待っていて――!?

四季

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後編

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 やはり私は所詮見下される人間なのか。
 悲しいことだけれど。
 きっとそこは変わらないし変えられないのだろう。


 ◆


「聞いたか!? お前のくじ、当たってるぞ!!」

 婚約が破棄となった翌日。
 朝、まだベッドでごろごろしていると、父が飛んできた。

「ええっ」
「しかも一等だ!!」

 前に遊び感覚で買っていたくじが大当たり、まさかの高額な臨時収入が発生した。

「うそ……」

 こうして私は思わぬ形で大金持ちになった。


 ◆


 あれから三年、私は今、ボランティア活動に打ち込んでいる。

 くじの大当たりによって生活費に困ることはなくなった私は、自由を得ることができた。生活のために働く必要はなくなったのだ。そうなった時にこれから何をしよう、と考えて。困っている人たちのために何かしてみよう、と思い立った。そうして、この活動を始めたのだ。

「大丈夫? 荷物、運ぶの手伝おうか?」
「心配しないで!」
「あ、魔法で軽くできるか」
「ええ!」

 活動の中でできた恋人がいる。
 今は彼と共に世の人たちのためにせっせと働いている。

「これも運ぼうか?」
「いやいいよ! 僕が運ぶ!」
「そう、分かったわ、オッケー」
「気遣いありがと!」

 ほぼ無給だが。

 彼と共に力を合わせてやりたいことに打ち込める――その時間は、とても愛おしく、何よりも楽しい。

 今は、困っている人たちのために生きてゆこうと、そう強く思っている。

 この活動でなら魔法の才能もそこそこ活かせるし。


◆終わり◆
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