婚約破棄後、私と彼の人生はかけ離れたものとなりました。

四季

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前編

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 先日婚約者アドモスから「お前は地味で華がなくおしゃれもしない、ださいからもう無理だ」と言われ婚約破棄された私だけれど。

「全問正解です! おめでとうございます!」

 今日王都にて開催されていた『ストッキング履き比べ競技・全国大会』にて私は一位の成績を収めた。

「凄いですよ!! 全問正解は大会始まって以来初の偉業となります!!」

 これにより我が名は世に広く知れ渡ることとなる――ストッキング・マスターとして。

 以降それ関連の仕事が大量に舞い込んできて、驚くくらい儲かった。

「まさかこんなことになるなんて、って感じよね。母さん」
「それそれ」

 今は実家で暮らしているけれど毎日とても充実している。

 これからもこんな風に過ごせたら、そう思っている。今の暮らしへの不満は一切ない。それはもちろんたまには大変だと感じることもあるけれど、それはまた別の話。その大変さというのは良い意味での大変さだから、気にはならないし、顔をしかめたくなるような不快さもない。

「いつもサポートしてくれてありがとう」
「いいのよ! 気にしないで。娘の活躍は何よりも嬉しいことだもの」
「これからも活躍できるように頑張るわ」
「うんうんいいことね。あ、でも、無理しない範囲でね?」
「ええ!」
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