帰宅の鐘が

四季

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帰宅の鐘が

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帰宅の鐘が鳴り出す頃



影に似た君が現れて



僕に向けて手を差し出す



夕暮れの後のような手を



帰宅の鐘が町中に響きわたると



影に似た君が微笑む



僕に向けて差し出したその手は



新月の日の夜空みたいだった



君と初めて出会ったのは



いつだっただろう?



もうずっと前のことだから



すっかり忘れてしまった



君と知り合ったのは



いつのことだっただろう?



もう何年も前のことだから



かけらほども思い出せない



帰宅の鐘が鳴り出す頃



影に似た君が迎えに来る



それがいつの間にか



僕の日課になっていたんだ
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