7 / 209
6話「リベルテの扱い」
しおりを挟む
歌は数分で終わった。
私以外誰も口を開いていなかった室内に、静寂が訪れる。
広い部屋の中、無音の時が流れてゆく。
歌唱は済んだ。私はただじっとしていることしかできない。祈るのは「怒られませんように」ということだけ。
音を取り、旋律を鳴らしている、その間は不安はなかった。不安を抱かずにいられたのは、多分、思考が現実になかったからだと思う。けれど、歌い終わった瞬間、不安は一気に蘇った。歌という夢から覚めると、一瞬にして現実に引き戻されてしまったみたいだ。
「……ふぬぅ」
だいぶ時間が経って、皇帝はそんな声を漏らした。
息を吐き出すのと大差ないような、声らしからぬ声。
言葉がないから評価がはっきりしない。ふぬぅ、なんて言われても、気に入ってもらえたのか気に入ってもらえていないのかを判別することはできない。不可能だ、そんな判別は。
「いかがでしょうか」
皇帝がはっきり何も言ってこないことに困っていると、ウィクトルが口を開いた。
「ふぬぅぅ……」
まただ。
なぜ言語で感想を述べないのだろう。
「以上です」
「ぬぅ……そうか」
その時、皇帝は初めて言葉らしい言葉を発した。
それから近くに待機している侍女を呼びつけ——。
「この女を明日の歌姫祭に参加させよ」
「歌姫祭に……? しかし、申込み期限はとうに過ぎております」
「そんなことは気にしたら負けじゃ。皇帝の権限を使えば、話はすぐに通るはず」
「しょ、承知しました……」
皇帝から命令を受けた侍女は、小走りで部屋から出ていった。
ばたんと扉が閉まり、室内に落ち着いた雰囲気が戻る。それを待っていたらしく、扉が閉まった瞬間、皇帝は話し出す。
「名は、ウタと言ったか?」
「……はい」
「明日、ここから十分もかからぬところにある劇場にて『歌姫祭』という行事が行われる。それに参加するといい」
いやいや、急過ぎやしないだろうか。
生まれて初めて来た星でイベント参加は厳しめだ。
皇帝の言葉は絶対。この国では、皇帝に逆らうことは許されない。
「しかし驚きましたね! まさかまさか『歌姫祭』に出場なさることになるなんて!」
報告を終え、皇帝の前から去った私たち四人は、皇帝の間より一つ階が下のフロアに待機する。
ウィクトルとフーシェは何やら動き回っている。恐らく、仕事に関することについて、やり取りしているのだろう。
ちなみに、私の傍にはリベルテだけが残ってくれている。
「まだ信じられない……」
とても断れる空気でなかったから承諾してしまった。が、今はそれを悔やんでいる。異星人の、それも一日前にやって来たばかりの女が、イベントに出場するなんて、観客から野次を飛ばされそうだ。良く受け入れてもらえるとはとても思えない。
「ここだけの話、イヴァン様はいつもああなのです。突飛なことを唐突に言い出し、自身の意思を皇帝の権力で無理矢理通すのでございます」
キエル帝国の皇帝・イヴァンは絶対的な権力を持っているはず。
批判的なことを発して大丈夫なのだろうか。
「ちょ、ちょっと……そんなこと言って平気なの?」
ひそひそ声で言ってみた。
するとリベルテは笑顔で返してくる。
「小さな声でなら、平気でございます」
「ならいいけど……」
ウィクトルとフーシェはまだ仕事の途中だ。
今は、部下のうちの一人と思われる男性も含め三人で、紙を見ながら話し合っている。
なんだかとても忙しそう。手伝えることがあれば良いのに。
「でも……本当にどうしよう。イベントで歌うなんて。服だってあまりないのに……」
「お洋服はそのワンピースでいかがでしょう?」
そうだった。
一応、今着ている白いワンピースはあるのだった。
このワンピースなら、品はあるし綺麗だから、着て出られないことはなさそう。手持ちの衣服がほとんどない状況ながらこのワンピースがあるというのは、不幸中の幸いか。
「あ、そうね。これでも良さそうね」
「もしよろしければ、それにもう少しだけ飾りをつけるなり何なり致しますよ」
「え! いいの!」
「もちろんでございます。このリベルテ、実は手芸は得意分野でございますから、ウタ様がお望みでしたら明日までに仕上げさせていただきます」
手を煩わせるのは申し訳ないけれど、せっかく親切にこう言ってくれているのだから、少し頼ってみようかしら。
「えっと、じゃあお願いしても良いかしら」
ここは甘えておくことにした。
余裕がない状況下だ、親切心を敢えて拒む必要もないだろう。
「はい! もちろんでございます!」
甘えることにしてお願いの言葉を発してみると、リベルテは一気に明るい顔つきになった。
瞳は輝き、心は踊っているみたい。
昨日知り合ったばかりなのに申し訳ない、と思う心はあるけれど、もう迷わない。過剰に気を遣っても益はないから、遠慮はしないことに決めた。
こういう時は親切な人に頼るに限る。
ウィクトルとフーシェの用事が終わるまで待ち、私たちはまた移動した。
自動運転車に乗ること十数分、飾り気のない三階建ての建物の前に到着する。
「ここは?」
「我々の宿舎だ」
車から降りながら問うと、ウィクトルはさらりと答えてくれた。
どうやら彼らはここで生活しているようだ。
私が生まれ育った村には三階建ての建物なんて滅多になかった。それだけに、外壁がほぼ一面灰色という地味さであっても、立派な建物に見える。
「私を含む三人は同室だ、君もそこに招き入れよう」
そっか、三人は同室——って、え!?
ウィクトルとリベルテが同じ部屋なのはともかく、フーシェまで同じ部屋というのは問題ではないの!?
……まぁ、この星にはこの星の人の感覚があるのかもしれないけれど。
ウィクトルらに連れられてたどり着いたのは、三階の一室。
走り回れそうなスペースのあるその部屋にはガラス製の窓もあり、そこからは外を風景を見渡すことができる。
また、家具は比較的少なく、広々としているように感じられる。
「主とリベルテはあちら、フーシェはこちらを使っているのでございます」
戸惑いつつ広々とした室内を見ていたら、リベルテが唐突に説明してくれた。
よく見てみると、部屋の端の方にはパーテーションが置かれていて、その左右にベッドが配置されている。一応、最低限のプライバシーは守られるように考えてあるようだ。
「へぇ。広いのね」
「ウタ様はフーシェの方でお過ごしになられてはいかがでしょう? 女性同士の方が気が合うやもしれませんし」
配慮はありがたいが、正直、フーシェとは上手くやっていける気がしない。
「フーシェ、ウタ様に着られるお洋服を何か貸して差し上げて下さい」
「……リベルテの命令には従わない」
「相変わらずですね……」
きっぱり拒否されたリベルテは困り顔で溜め息をつく。
直後、それを見ていたウィクトルが口を開いた。
「私もリベルテと同じことを考えていた。フーシェ、ウタくんに服を貸してやるといい」
「……分かった」
フーシェはそそくさと自分のベッドの方へと歩き出す。
リベルテが相手の時にはきっぱり拒否したフーシェだったが、ウィクトルに言われたら一瞬にして従った。
なかなか不思議な関係である。
私以外誰も口を開いていなかった室内に、静寂が訪れる。
広い部屋の中、無音の時が流れてゆく。
歌唱は済んだ。私はただじっとしていることしかできない。祈るのは「怒られませんように」ということだけ。
音を取り、旋律を鳴らしている、その間は不安はなかった。不安を抱かずにいられたのは、多分、思考が現実になかったからだと思う。けれど、歌い終わった瞬間、不安は一気に蘇った。歌という夢から覚めると、一瞬にして現実に引き戻されてしまったみたいだ。
「……ふぬぅ」
だいぶ時間が経って、皇帝はそんな声を漏らした。
息を吐き出すのと大差ないような、声らしからぬ声。
言葉がないから評価がはっきりしない。ふぬぅ、なんて言われても、気に入ってもらえたのか気に入ってもらえていないのかを判別することはできない。不可能だ、そんな判別は。
「いかがでしょうか」
皇帝がはっきり何も言ってこないことに困っていると、ウィクトルが口を開いた。
「ふぬぅぅ……」
まただ。
なぜ言語で感想を述べないのだろう。
「以上です」
「ぬぅ……そうか」
その時、皇帝は初めて言葉らしい言葉を発した。
それから近くに待機している侍女を呼びつけ——。
「この女を明日の歌姫祭に参加させよ」
「歌姫祭に……? しかし、申込み期限はとうに過ぎております」
「そんなことは気にしたら負けじゃ。皇帝の権限を使えば、話はすぐに通るはず」
「しょ、承知しました……」
皇帝から命令を受けた侍女は、小走りで部屋から出ていった。
ばたんと扉が閉まり、室内に落ち着いた雰囲気が戻る。それを待っていたらしく、扉が閉まった瞬間、皇帝は話し出す。
「名は、ウタと言ったか?」
「……はい」
「明日、ここから十分もかからぬところにある劇場にて『歌姫祭』という行事が行われる。それに参加するといい」
いやいや、急過ぎやしないだろうか。
生まれて初めて来た星でイベント参加は厳しめだ。
皇帝の言葉は絶対。この国では、皇帝に逆らうことは許されない。
「しかし驚きましたね! まさかまさか『歌姫祭』に出場なさることになるなんて!」
報告を終え、皇帝の前から去った私たち四人は、皇帝の間より一つ階が下のフロアに待機する。
ウィクトルとフーシェは何やら動き回っている。恐らく、仕事に関することについて、やり取りしているのだろう。
ちなみに、私の傍にはリベルテだけが残ってくれている。
「まだ信じられない……」
とても断れる空気でなかったから承諾してしまった。が、今はそれを悔やんでいる。異星人の、それも一日前にやって来たばかりの女が、イベントに出場するなんて、観客から野次を飛ばされそうだ。良く受け入れてもらえるとはとても思えない。
「ここだけの話、イヴァン様はいつもああなのです。突飛なことを唐突に言い出し、自身の意思を皇帝の権力で無理矢理通すのでございます」
キエル帝国の皇帝・イヴァンは絶対的な権力を持っているはず。
批判的なことを発して大丈夫なのだろうか。
「ちょ、ちょっと……そんなこと言って平気なの?」
ひそひそ声で言ってみた。
するとリベルテは笑顔で返してくる。
「小さな声でなら、平気でございます」
「ならいいけど……」
ウィクトルとフーシェはまだ仕事の途中だ。
今は、部下のうちの一人と思われる男性も含め三人で、紙を見ながら話し合っている。
なんだかとても忙しそう。手伝えることがあれば良いのに。
「でも……本当にどうしよう。イベントで歌うなんて。服だってあまりないのに……」
「お洋服はそのワンピースでいかがでしょう?」
そうだった。
一応、今着ている白いワンピースはあるのだった。
このワンピースなら、品はあるし綺麗だから、着て出られないことはなさそう。手持ちの衣服がほとんどない状況ながらこのワンピースがあるというのは、不幸中の幸いか。
「あ、そうね。これでも良さそうね」
「もしよろしければ、それにもう少しだけ飾りをつけるなり何なり致しますよ」
「え! いいの!」
「もちろんでございます。このリベルテ、実は手芸は得意分野でございますから、ウタ様がお望みでしたら明日までに仕上げさせていただきます」
手を煩わせるのは申し訳ないけれど、せっかく親切にこう言ってくれているのだから、少し頼ってみようかしら。
「えっと、じゃあお願いしても良いかしら」
ここは甘えておくことにした。
余裕がない状況下だ、親切心を敢えて拒む必要もないだろう。
「はい! もちろんでございます!」
甘えることにしてお願いの言葉を発してみると、リベルテは一気に明るい顔つきになった。
瞳は輝き、心は踊っているみたい。
昨日知り合ったばかりなのに申し訳ない、と思う心はあるけれど、もう迷わない。過剰に気を遣っても益はないから、遠慮はしないことに決めた。
こういう時は親切な人に頼るに限る。
ウィクトルとフーシェの用事が終わるまで待ち、私たちはまた移動した。
自動運転車に乗ること十数分、飾り気のない三階建ての建物の前に到着する。
「ここは?」
「我々の宿舎だ」
車から降りながら問うと、ウィクトルはさらりと答えてくれた。
どうやら彼らはここで生活しているようだ。
私が生まれ育った村には三階建ての建物なんて滅多になかった。それだけに、外壁がほぼ一面灰色という地味さであっても、立派な建物に見える。
「私を含む三人は同室だ、君もそこに招き入れよう」
そっか、三人は同室——って、え!?
ウィクトルとリベルテが同じ部屋なのはともかく、フーシェまで同じ部屋というのは問題ではないの!?
……まぁ、この星にはこの星の人の感覚があるのかもしれないけれど。
ウィクトルらに連れられてたどり着いたのは、三階の一室。
走り回れそうなスペースのあるその部屋にはガラス製の窓もあり、そこからは外を風景を見渡すことができる。
また、家具は比較的少なく、広々としているように感じられる。
「主とリベルテはあちら、フーシェはこちらを使っているのでございます」
戸惑いつつ広々とした室内を見ていたら、リベルテが唐突に説明してくれた。
よく見てみると、部屋の端の方にはパーテーションが置かれていて、その左右にベッドが配置されている。一応、最低限のプライバシーは守られるように考えてあるようだ。
「へぇ。広いのね」
「ウタ様はフーシェの方でお過ごしになられてはいかがでしょう? 女性同士の方が気が合うやもしれませんし」
配慮はありがたいが、正直、フーシェとは上手くやっていける気がしない。
「フーシェ、ウタ様に着られるお洋服を何か貸して差し上げて下さい」
「……リベルテの命令には従わない」
「相変わらずですね……」
きっぱり拒否されたリベルテは困り顔で溜め息をつく。
直後、それを見ていたウィクトルが口を開いた。
「私もリベルテと同じことを考えていた。フーシェ、ウタくんに服を貸してやるといい」
「……分かった」
フーシェはそそくさと自分のベッドの方へと歩き出す。
リベルテが相手の時にはきっぱり拒否したフーシェだったが、ウィクトルに言われたら一瞬にして従った。
なかなか不思議な関係である。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる