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81話「ウタの輸送先」
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結局、私はその場で捕縛されてしまった。
そして、フーシェも。彼女もまた、捕らえられてしまうこととなったのだった。
私とフーシェは別々の輸送車に乗せられ、どこかへと運ばれる。無口な運転手が操縦する車の中は、ほとんど何も見えないほど暗く、とにかく不気味。窓もないし、心が病みそうな場所だ。
それでも、ただ我慢するしかなかった。
暴れるわけにはいかないし、運転手に襲いかかるなんてことはできるわけがないし。
捕らえられたことは判明しているもののどうなったのか詳しいところは不明のフーシェのことが気がかりだ。彼女は気が強いから、抵抗して乱暴なことをされていたりしたら大変。無事なのかどうか、それだけで良いから教えてほしい。そんな気分である。
フーシェも、ウィクトルも、どうなったか分からないなんて——私には耐えられない。
それでも耐えなければならないわけだけれど……。
「降りろ」
「……はい」
無口な運転手に促され、輸送車を降りる。
ようやく光を取り戻した視界に入ってきたのは、一軒の洋館に似た建物。
建築物はその一つだけだが、結構大規模な建物だ。三階はありそうだし、屋根には立派な装飾が施されている。その外観は、まるで別荘のよう。罪人を放り込んでおくための建物とは思えない。
「案内する。ついてこい」
「……はい」
私は一言返事をする以外何も言えなかった。
余計なことを発してはならないような空気だったからである。
下手に抵抗すればどんな目に遭わされるか。状況が完全に明らかになっていない状態で動くのは良くないだろう。
ひとまず従う。そして、できる限り情報を手に入れる。
まずはそこからだ。
洋館に似た建物の正面玄関を通過し、中へと足を進めていく。運転手の指示に逆らうことなく、私は黙って歩き続けた。そうして建物の中へ入ると、古き良きといった印象の内装が視界を埋め尽くす。タペストリー、カーペット、色々な物が置かれていて、つい見惚れてしまうそうになる。けれど、物に集中し過ぎて指示に反した行動を取っては危険なので、極力耳も澄ましておくよう心掛けた。
「こんにちは!」
やがて、一人の知り合いでない人物が、私と運転手を迎える。
「貴方は……」
その人物は少年だった。彼は、私がここへ連れられてきた事情など微塵も知らないかのように、明るく爽やかな迎え方をしてくれる。
彼の顔を目にした時、私は気づいた。
その少年を、かつて一度目にしたことがあるということに。
「シャロさんの」
「え! 僕のことをご存知なのですか!?」
前にシャルティエラと二人きりでお茶会をしたあの時、見張りとしてテラスにいた少年に、目の前の彼はよく似ている。
「以前……一度お見かけしたことがあります。シャロさんとテラスでお茶をさせていただいた時です」
シャルティエラの部下である彼がここにいるということは、この屋敷はシャルティエラの家?などと思考を巡らせつつも、穏やかに会話を進行させる。
「あ! そういえばそうでしたね! 僕はラインといいます」
「……そうなんですね」
目の前の少年——ラインは、やや灰色がかった紺色の髪が素朴な印象を与える男の子。目はやや丸みを帯びていて、男性より男の子という表現がしっくりくるような顔立ちだ。凛々しさや勇ましさより、純粋さや飾り気のなさが上回っている。雰囲気的に悪人ではなさそうだが。
「確か、お名前は、ウタさんでしたよね?」
「えぇ」
「よろしくお願いします! ウタさん」
ラインは敢えて挨拶をしてから、無口な運転手の方へ目を向ける。そして、「もう大丈夫です!ありがとうございました」と告げた。口数の少ない運転手の男は、その言葉を耳にするや否や、軽く会釈だけして去っていく。そうして私は、ラインと二人きりになった。
案内されたのは、洋館の中の一室。
歴史あるホテルの客室、というような印象の部屋だ。
「美しいところ……」
「褒めて下さってありがとうございます!」
天上は白、壁紙は朱色にベージュの草柄が描かれたもの、そして、床には湿気を帯びたようなどす黒い木を敷き詰めてある。ベッドとその傍にランプ台がある以外に家具らしきものは見当たらない。だが、そもそも部屋自体がそこまで広くないので、殺風景には見えなかった。
「しばらくの間はここで過ごして下さいね!」
「……え?」
信じられない思いでラインの顔を見つめる。
私は捕らわれたのだ、きっと小汚いところへ放り込まれるのだろうと考えていた。でも、入れられるのがこの部屋ならば、そこまで悪い待遇ではないと言えよう。ベッドもランプもあるし、虫が湧いているような状態の室内でもないみたいだし。
何がどうなっているのか掴めない。
私は犯罪者扱いを受けるのではないのか。
「どうかしましたか?」
「い、いえ……ただ、こんな部屋を使わせてもらって良いのかなと……」
もっと汚い部屋に変えてくれと言っているかのようで申し訳ない気分になる部分はあるが、心情と無関係なことを答えるのもどうかと思い、私は曖昧に答えた。
「もちろん! 大丈夫ですよ!」
私の発言に、彼は明るく返してくる。
「ビタリーさんからもそう指示を受けていますから!」
……ビタリーがこれを指示した? まさか。何の考えもなくこんなことを指示するなんて、あり得ない。彼がもしそんな気遣いのできる人なのなら、あんな乱暴な捕らえ方はしなかったはずだ。少しは、話を聞くなり何なりしてくれたはず。彼はそれをしなかった。まったくもって話し合わず、私たちを強制的に捕まえたのだ。とはいえ……純真そうなラインが勝手に嘘を言っているとも思えない。とすれば、ビタリーは何らかの意図を持って私をここへやるよう命じた? その先に起こることを見据えて、とか?
「これからしばらく、よろしくお願いしますね!」
ラインの表情は明るい。真夏の太陽にすら見える。リベルテとはまた違うタイプだが、ラインはラインで元気の良さが印象的な人物だ。
「こちらこそ。……あの、それでは、一つ尋ねさせて下さい」
「はい? 何でしょう?」
尋ねるべきではないかもしれない、そう思いつつも、勇気を持って問いを放つ。
「フーシェさんはどうなったのですか?」
すると、ラインはきょとんとした顔をする。
何も知らない人間の顔つき。
「フーシェ……さん? どなたですか?」
「あぁ、ごめんなさい。貴方に聞くべきではなかったですね」
フーシェのことを知らないなら仕方ない。そんな彼にフーシェの行方を求めるのは酷だ。
「え! そんなことありませんよ? 力になれそうなことがあるなら、何でも仰って下さい!」
「ありがとう。気持ちだけ受け取っておきます」
私は部屋の奥へ進み、用意されているベッドの端に腰を下ろしてみる。木が軋むような音は鳴ったが、壊れそうということはなかった。やや硬さを感じはするものの、座り心地もそこまで悪くはない。きちんと厚みのある柔らかな布団が敷かれているから、眠ることだって不可能ではなさそうだ。
「では私はここにいますね」
状況はまだ掴みきれていないが、案内されたのだからここにいて怒られることはないだろう。
「あ……は、はい。え、えっと。その……」
唐突にオロオロし始めるライン。
それまでは明瞭な発音であらゆる言葉を述べていただけに、直前までと今の落差が大きい。
「どうかしたのですか?」
私は少し不安になって問う。
すると、ラインは視線を下へ向けつつ、口を開いた。
「その……ふ、ファンなんです!」
「え」
予想外の発言が飛び出す。
「ウタさんの歌、僕は、すっ……好きです!」
そして、フーシェも。彼女もまた、捕らえられてしまうこととなったのだった。
私とフーシェは別々の輸送車に乗せられ、どこかへと運ばれる。無口な運転手が操縦する車の中は、ほとんど何も見えないほど暗く、とにかく不気味。窓もないし、心が病みそうな場所だ。
それでも、ただ我慢するしかなかった。
暴れるわけにはいかないし、運転手に襲いかかるなんてことはできるわけがないし。
捕らえられたことは判明しているもののどうなったのか詳しいところは不明のフーシェのことが気がかりだ。彼女は気が強いから、抵抗して乱暴なことをされていたりしたら大変。無事なのかどうか、それだけで良いから教えてほしい。そんな気分である。
フーシェも、ウィクトルも、どうなったか分からないなんて——私には耐えられない。
それでも耐えなければならないわけだけれど……。
「降りろ」
「……はい」
無口な運転手に促され、輸送車を降りる。
ようやく光を取り戻した視界に入ってきたのは、一軒の洋館に似た建物。
建築物はその一つだけだが、結構大規模な建物だ。三階はありそうだし、屋根には立派な装飾が施されている。その外観は、まるで別荘のよう。罪人を放り込んでおくための建物とは思えない。
「案内する。ついてこい」
「……はい」
私は一言返事をする以外何も言えなかった。
余計なことを発してはならないような空気だったからである。
下手に抵抗すればどんな目に遭わされるか。状況が完全に明らかになっていない状態で動くのは良くないだろう。
ひとまず従う。そして、できる限り情報を手に入れる。
まずはそこからだ。
洋館に似た建物の正面玄関を通過し、中へと足を進めていく。運転手の指示に逆らうことなく、私は黙って歩き続けた。そうして建物の中へ入ると、古き良きといった印象の内装が視界を埋め尽くす。タペストリー、カーペット、色々な物が置かれていて、つい見惚れてしまうそうになる。けれど、物に集中し過ぎて指示に反した行動を取っては危険なので、極力耳も澄ましておくよう心掛けた。
「こんにちは!」
やがて、一人の知り合いでない人物が、私と運転手を迎える。
「貴方は……」
その人物は少年だった。彼は、私がここへ連れられてきた事情など微塵も知らないかのように、明るく爽やかな迎え方をしてくれる。
彼の顔を目にした時、私は気づいた。
その少年を、かつて一度目にしたことがあるということに。
「シャロさんの」
「え! 僕のことをご存知なのですか!?」
前にシャルティエラと二人きりでお茶会をしたあの時、見張りとしてテラスにいた少年に、目の前の彼はよく似ている。
「以前……一度お見かけしたことがあります。シャロさんとテラスでお茶をさせていただいた時です」
シャルティエラの部下である彼がここにいるということは、この屋敷はシャルティエラの家?などと思考を巡らせつつも、穏やかに会話を進行させる。
「あ! そういえばそうでしたね! 僕はラインといいます」
「……そうなんですね」
目の前の少年——ラインは、やや灰色がかった紺色の髪が素朴な印象を与える男の子。目はやや丸みを帯びていて、男性より男の子という表現がしっくりくるような顔立ちだ。凛々しさや勇ましさより、純粋さや飾り気のなさが上回っている。雰囲気的に悪人ではなさそうだが。
「確か、お名前は、ウタさんでしたよね?」
「えぇ」
「よろしくお願いします! ウタさん」
ラインは敢えて挨拶をしてから、無口な運転手の方へ目を向ける。そして、「もう大丈夫です!ありがとうございました」と告げた。口数の少ない運転手の男は、その言葉を耳にするや否や、軽く会釈だけして去っていく。そうして私は、ラインと二人きりになった。
案内されたのは、洋館の中の一室。
歴史あるホテルの客室、というような印象の部屋だ。
「美しいところ……」
「褒めて下さってありがとうございます!」
天上は白、壁紙は朱色にベージュの草柄が描かれたもの、そして、床には湿気を帯びたようなどす黒い木を敷き詰めてある。ベッドとその傍にランプ台がある以外に家具らしきものは見当たらない。だが、そもそも部屋自体がそこまで広くないので、殺風景には見えなかった。
「しばらくの間はここで過ごして下さいね!」
「……え?」
信じられない思いでラインの顔を見つめる。
私は捕らわれたのだ、きっと小汚いところへ放り込まれるのだろうと考えていた。でも、入れられるのがこの部屋ならば、そこまで悪い待遇ではないと言えよう。ベッドもランプもあるし、虫が湧いているような状態の室内でもないみたいだし。
何がどうなっているのか掴めない。
私は犯罪者扱いを受けるのではないのか。
「どうかしましたか?」
「い、いえ……ただ、こんな部屋を使わせてもらって良いのかなと……」
もっと汚い部屋に変えてくれと言っているかのようで申し訳ない気分になる部分はあるが、心情と無関係なことを答えるのもどうかと思い、私は曖昧に答えた。
「もちろん! 大丈夫ですよ!」
私の発言に、彼は明るく返してくる。
「ビタリーさんからもそう指示を受けていますから!」
……ビタリーがこれを指示した? まさか。何の考えもなくこんなことを指示するなんて、あり得ない。彼がもしそんな気遣いのできる人なのなら、あんな乱暴な捕らえ方はしなかったはずだ。少しは、話を聞くなり何なりしてくれたはず。彼はそれをしなかった。まったくもって話し合わず、私たちを強制的に捕まえたのだ。とはいえ……純真そうなラインが勝手に嘘を言っているとも思えない。とすれば、ビタリーは何らかの意図を持って私をここへやるよう命じた? その先に起こることを見据えて、とか?
「これからしばらく、よろしくお願いしますね!」
ラインの表情は明るい。真夏の太陽にすら見える。リベルテとはまた違うタイプだが、ラインはラインで元気の良さが印象的な人物だ。
「こちらこそ。……あの、それでは、一つ尋ねさせて下さい」
「はい? 何でしょう?」
尋ねるべきではないかもしれない、そう思いつつも、勇気を持って問いを放つ。
「フーシェさんはどうなったのですか?」
すると、ラインはきょとんとした顔をする。
何も知らない人間の顔つき。
「フーシェ……さん? どなたですか?」
「あぁ、ごめんなさい。貴方に聞くべきではなかったですね」
フーシェのことを知らないなら仕方ない。そんな彼にフーシェの行方を求めるのは酷だ。
「え! そんなことありませんよ? 力になれそうなことがあるなら、何でも仰って下さい!」
「ありがとう。気持ちだけ受け取っておきます」
私は部屋の奥へ進み、用意されているベッドの端に腰を下ろしてみる。木が軋むような音は鳴ったが、壊れそうということはなかった。やや硬さを感じはするものの、座り心地もそこまで悪くはない。きちんと厚みのある柔らかな布団が敷かれているから、眠ることだって不可能ではなさそうだ。
「では私はここにいますね」
状況はまだ掴みきれていないが、案内されたのだからここにいて怒られることはないだろう。
「あ……は、はい。え、えっと。その……」
唐突にオロオロし始めるライン。
それまでは明瞭な発音であらゆる言葉を述べていただけに、直前までと今の落差が大きい。
「どうかしたのですか?」
私は少し不安になって問う。
すると、ラインは視線を下へ向けつつ、口を開いた。
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「え」
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「ウタさんの歌、僕は、すっ……好きです!」
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