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後編
しおりを挟む「いつも本当に美味しいアイスをありがとうねぇ」
「いえいえ! こちらこそ買っていただいて感謝しています!」
「美味しいんだものぉ、買うわよ。ここのアイスは特別、だからたくさん買いたいの。うふふ、いつも最高よ」
「そんな……嬉しいです、本当に。ただ、少し照れてしまいます」
「あらそう? 誇っていいのよ? 可愛いわねぇ」
たまに嫌なことがあったって、いつかは乗り越えて。先へと、明日へと、一歩ずつでも着実に進んでゆけるのだ。
◆
オーウェンに捨てられてから半年。
私は今も親と共にアイス専門店を営んでいる。
この暮らしにももうすっかり慣れた。
もう何も怖くない。
「おう! 来たぞ!」
「あ、こんにちは」
「今日はだち五人と来たんだ! ここのアイス美味だからな!」
「ありがとうございます」
私はこれからも未来へと歩んでゆく。
この店の中で。
多くの人に喜んでもらう、そのために。
「あれとこれとこれ、で、それ、とか、あれとか。いいか?」
「はい!」
「じゃあそういうことでお願いしまーす!」
「承知しました」
――ちなみにオーウェンはというとあの後女性と結婚するもある時女性の母親に失礼な行為をしていまい怒られ最終的には離婚ということになってしまったのだそうだ。
で、今は一人、夜の街を彷徨っているらしい。
まぁもうどうでもいいことなのだけれど。
「なんだこれ! うめえ! こんなうめえの食ったことねえ!」
「すげえなお前っ、言うだけあるなっ」
「神アイスじゃね!? うおっ、うおお、もっと食いたいくらいだわ! ホント神だわ!」
◆終わり◆
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