感情的になった婚約者が婚約破棄してきましたが、これ以上監禁され続けるのはもう嫌なので大歓迎です。

四季

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 よその男と親しくならないようになどという理由で婚約者レーゼットの家にほぼ監禁されていた私ローザは、ある日、口喧嘩になったことで彼から婚約の破棄を宣言された。

 多分彼は感情的になっていたのだと思う。

 これまで散々縛り付け余所へ行かないように余所へ行かないようにと言ってきていたにもかかわらず、彼は私を急に手放した。

 でもそれはありがたいことだった。
 だって、これでもう、彼にあれこれ言われながら閉じ込められなくて済む。
 それはどんなことよりも嬉しいことだ。
 このある意味地獄のような場所から解放されることとなるのだから。

 私は張り切って彼の家を出た――のだが、食事を最後に与えられてから思っていたより時間が経ってしまっていたようで、帰っている途中に急に倒れた。

 何かを欲するような感覚。
 ただお腹が空いて。
 次第に意識が遠のいてゆく、糖分が足りないと肉体が叫んでいるような雰囲気。

 そして私は気絶した。

「ああ、気がつきましたか」

 ――次に目を覚ました時、私は、知らない場所にいた。

「こ、ここは……」
「ああすみません驚かせてしまいましたよね、僕の家です」

 目の前に知らない男性がいることに驚いて飛び起きる。

「ええっ!? え、え、え……な、何で!?」

 思わずそんな声を漏らしてしまう。

「落ち着いて、落ち着いてください」
「あ、は、はい……」
「貴女は倒れていたのですよ、恐らく栄養不足でしょう」
「ああ、そういえば、私……多分その通りです」
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