婚約者に裏切られ、もう死のうと思ったのですが……。~崖から飛び降りたのですが意外な助かり方をしてしまいまして~

四季

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後編

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「なぜそんなことになったんだ! 説明しろ」
「……貴方には関係ありません」
「おいおい! そりゃ酷いだろ! ……ったく、助けてやったんだから事情の説明くらいしろよな」

 仕方がないので、私は説明した。

 ――すると。

「そうか、そりゃひでえな。まぁ死のうとするのも分からんではない……年頃の娘なら、な」

 少しは理解してくれたようだ。

「理解していただけて助かります」
「だが! 死ぬな!」
「ええっ」
「まだ未来があるだろうがッ!! な、もう自ら死んだりするなよ」

 ……当たり前のことを言われてしまった。

「ま、安心しろ。その心ない男らには俺から復讐しておいてやるよ」
「え?」
「人が人に復讐すれば罪になるだろ」
「あ……は、はい、まぁ……」
「だから俺がやっておいてやる! 任せな!」
「そ、そんな。いいですよ。巻き込みたくないですし」
「いいいい、任せな!」
「……分かりました」

 その後、彼は、フィフスベリーズとその愛し合う相手である女性レネオンに復讐するべく動き出した。

 結果、フィフスベリーズは海辺の散歩中に海賊に襲われて金目の物をすべて奪われたうえ殺され、レネオンは海の魔物によって誘拐され髪の毛をすべて抜かれて海の底に沈められた。

「復讐は終わった。これからは自由に生きな」
「……ありがとうございました」

 彼らはもうこの世にはいない。

「どこにでも行けばいい、きっと幸せになれよ」
「……はい」
「おいおい、ぼんやりして大丈夫か?」
「は、はい! 大丈夫です!」
「よし! じゃ、元気でな」

 その後私は実家へ帰った。

 どうやらしばらく行方不明ということになっていたようで、両親にはかなり驚かれた――が、戻ってきて良かった、と言ってもらうことができたので嬉しかった。


 ◆


 フィフスベリーズ関連の件から二年が経った今日、私は、若き領主で事業家でもある青年と結婚する。

 あれから色々あったけれど、良いことの方が多かった。

 あの時死んでいなくて良かった――今はそう思っているし、迷いなくそう言える。


◆終わり◆
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