2 / 2
後編
しおりを挟む「なぜそんなことになったんだ! 説明しろ」
「……貴方には関係ありません」
「おいおい! そりゃ酷いだろ! ……ったく、助けてやったんだから事情の説明くらいしろよな」
仕方がないので、私は説明した。
――すると。
「そうか、そりゃひでえな。まぁ死のうとするのも分からんではない……年頃の娘なら、な」
少しは理解してくれたようだ。
「理解していただけて助かります」
「だが! 死ぬな!」
「ええっ」
「まだ未来があるだろうがッ!! な、もう自ら死んだりするなよ」
……当たり前のことを言われてしまった。
「ま、安心しろ。その心ない男らには俺から復讐しておいてやるよ」
「え?」
「人が人に復讐すれば罪になるだろ」
「あ……は、はい、まぁ……」
「だから俺がやっておいてやる! 任せな!」
「そ、そんな。いいですよ。巻き込みたくないですし」
「いいいい、任せな!」
「……分かりました」
その後、彼は、フィフスベリーズとその愛し合う相手である女性レネオンに復讐するべく動き出した。
結果、フィフスベリーズは海辺の散歩中に海賊に襲われて金目の物をすべて奪われたうえ殺され、レネオンは海の魔物によって誘拐され髪の毛をすべて抜かれて海の底に沈められた。
「復讐は終わった。これからは自由に生きな」
「……ありがとうございました」
彼らはもうこの世にはいない。
「どこにでも行けばいい、きっと幸せになれよ」
「……はい」
「おいおい、ぼんやりして大丈夫か?」
「は、はい! 大丈夫です!」
「よし! じゃ、元気でな」
その後私は実家へ帰った。
どうやらしばらく行方不明ということになっていたようで、両親にはかなり驚かれた――が、戻ってきて良かった、と言ってもらうことができたので嬉しかった。
◆
フィフスベリーズ関連の件から二年が経った今日、私は、若き領主で事業家でもある青年と結婚する。
あれから色々あったけれど、良いことの方が多かった。
あの時死んでいなくて良かった――今はそう思っているし、迷いなくそう言える。
◆終わり◆
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
あの日々に戻りたくない!自称聖女の義妹に夫と娘を奪われた妃は、死に戻り聖女の力で復讐を果たす
青の雀
恋愛
公爵令嬢スカーレット・ロッテンマイヤーには、前世の記憶がある。
幼いときに政略で結ばれたジェミニ王国の第1王子ロベルトと20歳の時に結婚した。
スカーレットには、7歳年下の義妹リリアーヌがいるが、なぜかリリアーヌは、ロッテンマイヤー家に来た時から聖女様を名乗っている。
ロッテンマイヤーは、代々異能を輩出している家柄で、元は王族
物語は、前世、夫に殺されたところから始まる。
家も婚約者も、もう要りません。今の私には、すべてがありますから
有賀冬馬
恋愛
「嫉妬深い女」と濡れ衣を着せられ、家も婚約者も妹に奪われた侯爵令嬢エレナ。
雨の中、たった一人で放り出された私を拾ってくれたのは、身分を隠した第二王子でした。
彼に求婚され、王宮で輝きを取り戻した私が舞踏会に現れると、そこには没落した元家族の姿が……。
ねぇ、今さら私にすり寄ってきたって遅いのです。だって、私にはもう、すべてがあるのですから。
【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました
よどら文鳥
恋愛
ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。
ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。
ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。
更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。
再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。
ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。
後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。
ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。
好きな人ができたなら仕方ない、お別れしましょう
四季
恋愛
フルエリーゼとハインツは婚約者同士。
親同士は知り合いで、年が近いということもあってそこそこ親しくしていた。最初のうちは良かったのだ。
しかし、ハインツが段々、心ここに在らずのような目をするようになって……。
そういう時代でございますから
Ruhuna
恋愛
私の婚約者が言ったのです
「これは真実の愛だ」ーーと。
そうでございますか。と返答した私は周りの皆さんに相談したのです。
その結果が、こうなってしまったのは、そうですね。
そういう時代でございますからーー
*誤字脱字すみません
*ゆるふわ設定です
*辻褄合わない部分があるかもしれませんが暇つぶし程度で見ていただけると嬉しいです
[完結]裏切りの果てに……
青空一夏
恋愛
王都に本邸を構える大商会、アルマード男爵家の一人娘リリアは、父の勧めで王立近衛騎士団から引き抜かれた青年カイルと婚約する。
彼は公爵家の分家筋の出身で、政争で没落したものの、誇り高く優秀な騎士だった。
穏やかで誠実な彼に惹かれていくリリア。
だが、学園の同級生レオンのささやいた一言が、彼女の心を揺らす。
「カイルは優しい人なんだろ? 君が望めば、何でもしてくれるはずさ。
でも、それは――仕事だからだよ。結婚も仕事のうちさ。
だって、雇い主の命令に逆らえないでしょ?
君に好意がなくても、義務でそうするんだ」
その言葉が頭から離れないリリアは、カイルの同僚たちに聞き込み、彼に病気の家族がいると知った。「治療費のために自分と結婚するの?」 そう思い込んだリリアに、父母がそろって事故死するという不幸が襲う。
レオンはリリアを惑わし、孤立させ、莫大な持参金を持って自分の元へ嫁ぐように仕向けるのだった。
だが、待っていたのは愛ではなく、孤独と裏切り。
日差しの差さない部屋に閉じ込められ、心身を衰弱させていくリリア。
「……カイル、助けて……」
そう呟いたとき。動き出したのは、かつて彼女を守ると誓った男――カイル・グランベルだった。そしてリリアも自らここを抜けだし、レオンを懲らしめてやろうと決意するようになり……
今、失われた愛と誇りを取り戻す物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる