裏切った婚約者と踏んできたその相手の女性、二人のことを私は絶対に許しません。たとえ善行でなくても、復讐します。

四季

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前編

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 雨が降る。
 冷たく身体を濡らす。

 私は今、地面に仰向けに倒れ、厚い雲に覆われた空を見上げている。

 何の面白味もない。

 一体、何があったのか?

 婚約者エッジから婚約破棄を告げられ彼と共にいた女性エリカから踏まれたのだ。

 ちなみにエリカは婚約者がいるエッジと裏でこそこそ関わりを深めていた女、泥棒猫と言っても過言ではないような悪女だ。

『あんたみたいな地味女がエッジとくっつけるわけないでしょ! わきまえなさいよ! あんたみたいなのはねぇ、地面に寝転がって泥でも啜っていればいいのよ! 婚約してたってだけで思い上がらないで!』

 ついさっき、エリカから言われたこと。

 思い出すだけで吐き気がする。
 内臓まで吐き出したくなる。
 踏まれた際にうっかり砂利を舐めてしまったせいか、彼女の言動が不快なせいか、その辺はよく分からないけれど。

 私は二人を許せない――こっそり裏切ったエッジも、その元凶となったエリカも。

 二人して私という人間を踏みにじるなんて。
 そんなことは許されることではない。

 冷たい雨の中、胸の内には復讐心という名の炎が宿る。

「……許す、ものか」

 呟いた、瞬間。

 目の前。
 寝そべっている真上。
 そこに光が一つ。

「え……」

 その光は言葉を発する。

『復讐心を抱いたようですね』
「え……あ、あの……何ですか……?」
『よいでしょう、あの心ない悪魔のような二人に復讐しなさい』
「心を読んでっ……!?」

 光は二本を腕を伸ばした。
 それは私の方へと向かい。

 ――束の間気絶していたようだが、次に目が覚めると雨はやんでいた。

「夢……?」
『いいえ、夢ではありません』
「現実!?」
『これから、貴女の行為はすべて世には出ません。好きなように復讐なさい。何をしようとも、あの者たちにであれば罪には問われないことでしょう』

 信じられないけれど……やろう、そう決意した。
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