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後編
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その日の晩、エッジが一人で住む小さな家へ解放されていた窓から侵入し、台所にあった包丁を手にして寝室へ向かう。
エッジとエリカは二人並んで狭いベッドで寝ていた。
眠っている彼へ襲いかかる。
「っ……っ、ああああああああ!?」
深く眠っていたエッジは刺されて初めて気づいたようだ。
それまではまったく反応がなかったのに。
刃物が身に突き立てば目を覚まし甲高く叫んだ。
「な、な、ぁ……痛い! 痛いよ! っ、あああああああ!」
私の行いは善行ではない。
けれどそれでも構わないのだ。
心は決まっている。
私は化け物、けれどその化け物を生み出したのは他の誰でもないエッジとエリカの二人なのだ。
「ちょ……な、何してんのよあんた!」
叫びによって目覚めたエリカは高圧的に叫んでくる。
けれどもその顔は怯えきっている。
分かりやすい人だ、と、澄み渡る頭で思った。
「エッジに何したの!」
「刺したのよ」
「悪魔! なんてことするのよ! 分かってるの!? 人殺しよ!?」
窓の外ではまた雨が降り出した。
雨音が聞こえてきている。
「その悪魔を生み出したのは誰?」
「っ……」
「あなたたち二人、でしょう」
「な、何それ……あんたはただ選ばれなかっただけじゃない!」
「婚約していたのよ、私たちは」
「それが何だって言うの!」
「裏でこそこそやって関係を壊すなんて――最悪な二人ね」
窓から飛び降りて逃げようとしたエリカは、きちんとまとめられていなかったカーテンに絡まってしまい、カーテンに首を絞められて亡くなった。
エリカには手を下すことはできなかった。
けれども彼女は死んだ。
生命をもって罪を償った、ということなのかもしれない。
◆
あれから数ヶ月が過ぎた。
エッジとエリカの死の情報は世に出ることはなかった。
あの光が言っていたことは事実だったようだ。
で、私はというと、今は孤児院で働いている。
「ぼぉる遊びして!」
「はいはい」
「ええー、ぼくコンドルごっこしよって言ってたのにー」
「じゃあボールを使ってコンドルごっこしましょ?」
子どもたちとの日々はとても楽しい。
いや、もちろん、苦労することや大変だと思うこともありはするのだけれど。
それでも、子どもたちの明るい表情を目にしていたら、こちらまで自然と明るい気持ちになれる気がするのだ。
「わーい!」
「ぼぉるでこんどるごっこって何するの?」
晴れた空の下、今日も子どもの遊び相手になる。
◆終わり◆
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