「お前は俺に相応しくない」からの婚約破棄!? ~その後二人の道は大きく離れてゆきました~

四季

文字の大きさ
1 / 2

前編

しおりを挟む

「お前は俺に相応しくない」
「え……」

 婚約者アダマンスの口から出たのはあまりにも唐突な言葉で。

「その自覚はあるか?」
「え、あ……あの、それはどういう……」
「つまり、俺たち二人はつり合っていないということだ」
「そ、そうでしょうか……」
「認めないか?」
「私はその、確かに優秀ではないですけど、でも……その、あまりにいきなり過ぎて理解が」

 思考が追いつかない。

 何の前触れもなくやって来た嵐の匂いに対応できるほど私は有能でない。

「そういうところだ。そういうところが不愉快なんだ」
「不愉快……!?」
「ああそうだ、不愉快。言葉そのままの意味だよ」
「そう……ですか、申し訳……」
「もういい。何も言うな。で、お前との婚約だが、本日をもって破棄とする」

 彼は私に目もくれないままで言った。

 そんな大事なことを告げるのに相手を見もしないの?
 私ってそこまで価値がない?

「婚約破棄……ですか」
「お前に価値を感じないからな」
「そんな……」
「何なんだぐじぐじ言いやがって! 潔く去れよ」

 アダマンスにはもう優しさは残っていないようだ。

「……はい、分かりました。ではこれで、さようなら」

 どうあがいても私たちは終わるしかないのか――ならば仕方ない、これ以上怒らせてしまう前に私は消えるとしよう。

 そうして私はアダマンスの前から消えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです

藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。 ――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。 妹は父の愛人の子。 身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、 彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。 婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、 当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。 一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。 だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。 これは、誰かが罰した物語ではない。 ただ、選んだ道の先にあった現実の話。 覚悟のなかった婚約者が、 自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。

お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ

Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。 理由は決まって『従妹ライラ様との用事』 誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。 「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」 二人の想いは、重なり合えるのだろうか …… ※他のサイトにも公開しています。

さようなら、あなたとはもうお別れです

四季
恋愛
十八の誕生日、親から告げられたアセインという青年と婚約した。 幸せになれると思っていた。 そう夢みていたのだ。 しかし、婚約から三ヶ月ほどが経った頃、異変が起こり始める。

もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?

四季
恋愛
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?

[完結]婚約破棄ですか? 困りましたね。え、別の方と婚約? どなたですか?

h.h
恋愛
未来の妃となるべく必死で努力してきたアリーシャ。 そんなアリーシャに婚約破棄が言い渡される。アリーシャが思ったのは、手にした知識をこれからどう活かしていけばいいのかということだった。困ったアリーシャに、国王はある提案をする。

そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。

しげむろ ゆうき
恋愛
 男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない  そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった 全五話 ※ホラー無し

婚約者の座は譲って差し上げます、お幸せに

四季
恋愛
婚約者が見知らぬ女性と寄り添い合って歩いているところを目撃してしまった。

幼馴染、幼馴染、そんなに彼女のことが大切ですか。――いいでしょう、ならば、婚約破棄をしましょう。~病弱な幼馴染の彼女は、実は……~

銀灰
恋愛
テリシアの婚約者セシルは、病弱だという幼馴染にばかりかまけていた。 自身で稼ぐこともせず、幼馴染を庇護するため、テシリアに金を無心する毎日を送るセシル。 そんな関係に限界を感じ、テリシアはセシルに婚約破棄を突き付けた。 テリシアに見捨てられたセシルは、てっきりその幼馴染と添い遂げると思われたが――。 その幼馴染は、道化のようなとんでもない秘密を抱えていた!? はたして、物語の結末は――?

処理中です...