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後編
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あれから三年、嘘みたいな話だが私は一国の王子と結ばれ子にも恵まれた。
今は幼い子を見守りつつ王家の人間の傍にいるに相応しい人間となるべく日々学んでいるところだ。
「本日の日程はこちらです」
「あ。ありがとうございます!」
「ではその通りに動いてくださいね。まずは九時、指定の場所で」
「はい、いつものところですね、分かりました」
地位がある人間となったからこそ、身につけなくてはならないことも多い。それはある意味では大変さもあることで。苦労だって少なくはない、慣れないことでもしなくてはならないこともあるし。
けれども、良き人と巡り会えた今は、そんな苦痛などどうでもいいと思える。
生きていれば苦難はあるもの。
立ちはだかる壁は一つずつ壊し越えてゆけばそれでいい。
前を向いて生きていけばそれでいいのだ。
そうそう、アダマンスはというと、私と王子の結婚披露式典の時に爆発物を投げ込もうとして拘束され、その後処刑された。
彼は己の行動によって死という道を行くこととなったのだ。
王子に向かって爆発物を投げようとなんてすれば拘束されることくらい想像できただろうに……。
生活に困っているわけでもないだろう、わざわざ処刑される可能性のあることをする必要なんてなかっただろうに……。
だがまぁそれも彼の選んだ道、彼の選択。
それゆえとやかく言う気はない。
彼はその道を選び、それによって殺められた――その事実だけがすべてだ。
◆終わり◆
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