生前は不幸ばかり、いまいち恵まれず人生を終えた彼女は、死後によく分からない現象を起こす力を手に入れることとなりました。

四季

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前編

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 ルリーナ・アマス、彼女は生まれて間もない頃から幸せに出会うことはできなかった。

 彼女が生まれて一年も経たないうちに実の母親が亡くなった。

 その後数年経って、父親が再婚。
 再婚相手の女性は性格が良くなく、彼女を徹底的に虐め抜いた。

 家では義母から虐められるルリーナだが、外でも穏やかには暮らせなかった。母無しと呼ばれ、同年代の子らから馬鹿にされ虐められていたのだ。何も知らない子から、母親がいないのはお前が不幸の塊だからだ、とまで言われたこともあった。ルリーナはいつも一人で泣いていた。

 そして年頃になると婚約が決まる。

 が、その相手は二十歳以上年上の少々困った男性。

 アルトという名の彼は、かなり年下の婚約者を最初だけは気に入っていたが、すぐに鬱陶しいだなんだと言い出して。それからは関係が一変。アルトはことあるごとにルリーナに当たり散らすようになった。言葉での当たり散らしは日常、時には殴られることもあったくらいだ。

 そしてついに婚約破棄を告げられてしまう。

「おまえみたいな忠実でないやつなんかと生きていけへんわ!」

 婚約破棄の理由はそれだった。

 ルリーナは婚約破棄を受け入れ、その日の晩に森の中で自ら命を絶った。
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