上 下
1 / 2

前編

しおりを挟む

「俺ら、愛し合ってるんだ」
「そうなの~ごめんねリリア~」

 その日、婚約者オッポと親友だと思っていたネリが、二人で私の前へやって来た。

 そして。

「ということだから、リリア、君との婚約は破棄とするな」

 オッポは悪気など一切ないような顔でそう言った。

「俺とネリはどこの誰よりも愛し合っている。その想いは強く、誰にも邪魔などできないほどのものだ」
「ごめごめ~リリア~」
「だからリリア、たとえ君と結婚したとしても、俺が君を愛することはない。ならば婚約は破棄した方が良いと思った。そういうことなんだ」
「ほんとごめんねリリア、あたしの方が魅力的だったみたいね~」

 オッポとネリはそこまで言い終えてから抱き締め合う。

 これは何を見せられているのだろうか……。

「じゃな、リリア。ばいばい。永遠に、さよなら」

 こうして私は婚約破棄された。

 しかし驚いた、親友だと思っていたネリに婚約者を奪われるとは。

 人生とは分からないものだ……。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

灰かぶり君

BL / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:312

私の婚約者と駆け落ちした妹の代わりに死神卿へ嫁ぎます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:2,553

処理中です...