婚約破棄された、けれど。

四季

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婚約破棄された、けれど。

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 遡ること、二時間半ほど前。
 私は生涯を共にするものと思っていた婚約者から婚約の破棄を告げられた。

 お前みたいな取り柄のない女を妻にしたら恥をかく。これまでは仕方がないので我慢しようと思っていたが、もう限界だ。

 ……ですって。

 よくそんなことが言えるな、と思う。

 彼は私を低価値であるかのように言うけれど、なら逆に聞いてみたい。

 貴方はそんなにも価値のある人間なの? と。

 とはいえ、すべては過ぎたこと。私はもう彼とのことは忘れようと思う。なぜなら、過ぎたことに固執してくよくよしていても無駄だから。過去は変わらない、どれだけ思考しようとも。

 私が見据えるのは、ここから先にある、未来。

 婚約破棄されたと聞けば不孝だったかのようにも聞こえるが、現実はそうではないのだ。
 これは良い機会との巡り合い。
 新たな道への扉を与えられたようなもの。

 さぁ、進もう。

 この先にある、希望に満ちた未来へ。


◆終わり◆
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