婚約破棄して支援は継続? 無理ですよ

四季

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中編

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「婚約破棄? またいきなりね。どうして?」
「好きな人ができてしまった」

 レインは正直だ。昔も、今も。だから、この話だって、本当の気持ちを話してくれているのだろう。それは分かる。そもそも、彼はこんな器用な嘘をつける人ではない。言っていることがすべて、言っていることは事実、ということなのだろう。

「ルリアというんだが、とても可憐で、可愛らしいんだ」
「へぇ……」
「俺が喋っている時はいつも笑ってくれる。うふふ、うふふ、と笑うのが、とても可愛くてな」

 他人が喋っている時にずっとうふうふ言っている……いいのか、それで。

「しかも、華奢だが出るところは出ているのでな、眺めるだけでも楽しいんだ」

 エロオヤジみたくなっているけれど、それは大丈夫なの……?

「そう。分かったわ。その女性の話はもういいわよ」
「婚約破棄、受け入れてくれるか?」
「えぇ構わないわ。ただ、貴方の家への支援は終わらせることになるけれど」

 私と彼が婚約してから、うちは彼の実家へ金銭的な支援を行っている。大きな額を与えているわけではないけれど。ただ、せめて最低限の生活ができるようにと、毎月一定のお金を渡している。

 だがその支援は婚約あってのもの。

 レインの親に罪はないが、婚約破棄となれば支援を継続することはできない。

「なっ……、それとこれとは別だろう!」
「別じゃないわ」

 私との縁は切るが支援は継続してほしい、だなんて、厚かましいにもほどがある。

「ルリアさんだった? その女性の家に支援してもらえばいいじゃない。乗り換えるというのは、そういう覚悟あってのことでしょう」

 もっとも、黙って浮気を続けられるよりかは良かったのだけれど。

「じゃあこれでお別れね、レイン」
「待ってくれ! 家への支援は続けてくれ! 親に罪はない!」

 レインは今になって慌てている。支援がなくなると気づいたからか。だが、気づくのが遅過ぎる。いざそういう話になってから気づいても、もはや手遅れ。今さらやり直すことなどできない。
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