その日の訪れは突然でした。~婚約破棄されまして~

四季

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前編

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 その日の訪れは突然でした。

 私は婚約者タポスに呼び出され、告げられたのです。

「貴様との婚約は破棄とする!」

 ……そんなことを。

 さすがに驚きました。
 言い方が高圧的なうえ、想定外の内容だったからです。

 しかもそれだけではなく――彼は付け加えます。

「貴様のような家事もろくにできない女、女とは呼べない! そして、そのような女を妻とすることも、俺のプライドが許せない! だから貴様との関係は本日をもって終わりとする!」

 なぜそんなことを平然と言えるのか?

 謎でしかありません。

 だってそうでしょう。

 つい先ほどまでは正式に婚約者同士だったのです――それなのにこんな風に悪く言うなんて、とても理解できる話ではありません。

「本日以降、二度と俺の前に現れるな。いいな?」
「……本気で仰っていますか」
「もちろんだ! 俺を馬鹿にするな! 俺はそんな感情的な馬鹿まる出し男ではない!」

 こちらは何も言っていないのだが……。

 いや、自覚があるのならまだましなのでしょうか。

 大抵無自覚というのが一番痛いものですから。

 とはいえ、こんな身勝手な人とは生きてはいけません。

 これまでだって少々気に食わない時はあったけれど、それでも、見て見ぬふりをしてきました。

 でも今日確信しました。
 彼と生きてゆくのは私には無理だ、と。
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