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後編
しおりを挟む「残念ですが……分かりました。では、私はこれで去ります。これまでありがとうございました……さようなら」
彼は一度だけ頷きました。
こうして私たち二人の関係は終わりを迎えたのです。
これまでの時間はすべて消え去ったも同然です。
でもべつに構いません。
何も、これまでに執着することはないでしょう。
私がこれから生きてゆくのは未来。
前を見ようと思います。
いつも未来を見つめる姿勢――それが幸せを引き寄せるのです――きっと、そうなのです。
◆
あれから数年が経ちました。
正直意外なのですが、私は今、この国を護る神の妻となっています。
信じられるでしょうか? もしかしたら信じてもらえないかもしれませんね。神とは目には見えない存在ですから――信じてもらえなくても仕方ないことだと思いはします。ただ、私は実際に神の妻となり、今は夫と共に国を見守り護っています。それは事実。信じられますか? 無理でしたらそれでも構いません。
ただ一つ言いたいことがあるとすれば、今私は幸せです。
愛する者と共に存在できるのですからこんな嬉しいことはありません。
ちなみにタポスにはあの後天罰が下りました。
彼は私との婚約を破棄した数か月後に人間界で『神の怒り病』と呼ばれている病を発症したそうです。その病というのは毎晩悪夢を見るそうで、しかも、その者の一番恐れている内容に関する悪夢を見るそうです。
タポスも例外ではなく。彼も毎晩悪夢に見舞われるようになり、それによって心を病んでしまったそうです。
当然、一度そうなってしまっては回復などしません。
彼はそのまま徐々に生活できなくなり、自室にこもって親とさえ関われないようになってゆき、最終的には孤独に亡くなったそうです。
◆終わり◆
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