婚約破棄された令嬢はもう誰も信じないことにした。

四季

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後編

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 ◆


 新月の夜。
 この暗闇で、私の復讐は終わった。

 私は我が家に代々伝わる秘密の魔術書に書かれている一つの術を使って、恋人と愛し合っていた彼を殺めたわ。

 彼の最期は呆気なかった。
 笑えてしまうほどにね。

 そして、少し申し訳ないけれど、恋人にも逝ってもらったわ。

 これで私と彼の縁は終わりよ。いえ、彼はこの世に生きるすべての人との縁を失った。縁なんて生きていてこそ、だもの。死んでしまえば何もかもなかったことよ。

 さて、これからどうしようかしら。

 私は既に手を血に染めた。
 実際に赤く濡れてはいないけれど。
 ただこの両手は血に濡れたも同然だわ。

 私はもう善には戻れない。

 それでも……選択を後悔はしていないわ。

 どのみち一度は穢れた身、そういう仕事を始めるというのも悪くはなさそうね。
 もっとも、適正があるかは知らないのだけれど。

 いずれにせよ、私は、これまでと同じような純粋な人間ではいられない。

 それだけは確かなことよ。

 でもいいの。
 それでも果たしたい復讐だったの。


◆終わり◆
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