お邪魔しますわよ

四季

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「あー、良かった」

 やがてクラウディアはそう言いながら唇を離した。

 小刻みに荒い息をしながら、リスタンは愕然とした。クラウディアが何事もなかったかのような顔をしていたからだ。こんなことをした後とは到底思えない普段通りの表情で、呼吸も整っている。

 弄ばれただけだったのだ、と思い、それと同時に怒りが沸き上がる。

 リスタンが口を開こうとした瞬間、アイーネの乗るアカトレから映像通信が入る。

「大丈夫? リスタン。 何か不具合でも起きた?」

 モニターに心配そうなアイーネの顔が映る。

「大丈夫。すぐ……」
「アイーネちゃん!!」

 クラウディアはそう叫んだ。

「え……クラウディア? どうしてそこに」
「アイーネちゃん、あたくし……リスタンくんに……初キスを奪われてしまいましたの!」

 アイーネの表情が一瞬凍り付く。

「こんな、こんなつもりじゃ……。コックピットに引き込まれて……無理矢理、うぅ……欲望を満たすために使われてしまいましたの! 酷い男ですわ!」

 クラウディアは嘘泣きをしながらそんなことを訴えた。
 するとアイーネは真顔で言う。

「何言ってるの。リスタンはそんなことしない」
「信じているのでしょうけど、残念ながら本当ですわ……襲われて……」
「茶番はいいわ」

 アイーネは口調を強める。

 彼女はリスタンを信じている。
 そんなことをする人ではない、と。

「酷いのは貴女よ! 今すぐコックピットから出ていって!」

 そこまで言うと、クラウディアはついに諦めてコックピットを出ていった。
 アイーネは、荒い息のリスタンに視線を合わせる。

「体、平気?」
「……ありがとう」

 そういってモニターごしに二人は笑みを浮かべた。

「行こう、リスタン」

 今日もまた、帝国を守る戦いが始まる。

  (完)
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