美しいと褒めてくれていた婚約者でしたが……彼の愛は長くは続きませんでした。

四季

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前編

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「君みたいな美しい女性、初めて見た! 素晴らしい!」

 婚約者となった男性エルビーが最初に私にかけた言葉はそれだった。

 彼は私の惚れたそうで、私の親に直接交渉した。そして、その積極性を認められたらしく、彼は私の婚約者となった。私の意思はほぼ無関係だった。

 でもそれで良いと思っている部分もあった。
 どうせ結婚相手なんて勝手に決まるものだから。
 自分で選ぶなんて選択肢はないのだと、幼い頃から教わってきていたから。

 嫌われていないだけまだましだろう――そう思って、私はエルビーと行く道を受け入れたのだった。


 ◆


 しかしエルビーは私を長くは愛さなかった。
 大事にしてくれていたのははじめのうちだけで。
 次第に彼の心は私から離れていった。

 そして。

「君との婚約は破棄することにしたよ」

 婚約から数ヶ月が経ったある日、彼からそう告げられた。

 予感はあった。
 だからそこまで驚きはしない。

「そうですか、分かりました」

 そう返すと。

「やはり可愛くないな! 生意気な女!」

 親の仇を睨むような顔をされてしまった。

 確かにそうかもしれない。
 私は可愛い性格ではない。
 それは分からないでもない。

 ただ……そんな憎んでいるような顔なんてしなくていいのに、とは思ってしまった。

「では失礼します」
「性格ごみ女消えろ!」
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