婚約破棄されたその日に踊った踊りが、いつしか、地域の踊りとして定着しました。表彰までされて驚きです。

四季

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前編

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「お前とはもう終わりだ! これからおらは愛する人と生きるんだよ! だから、婚約なんざ破棄してやる! いいなっ? いいだろ? そういうことそういうことだから! これで終わり!」

 その日、私は、一方的に婚約破棄された。

 快晴ではないが雨降りでも曇りでもない曖昧な天気の日。
 想定外の展開に襲われて。
 私は当たり前に手にしていたものを突如失ってしまった。

 その日の夕暮れ時、空の色が朱に染まる頃、私は村の畑で踊る。

「あー、はい、はいっ、はいっと、はい!」

 声と共に足を交互に踏み鳴らす。
 手は横に真っ直ぐに伸ばして左右を交互に上下させる。
 腰は右左右左と揺さぶって。

「あー、はい、はいっ、はいっと、はい! はい、ほい、はいっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! はいーっと、ほい! はいーって、ほいっとさ! はい! ほい! はい! はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい!」

 そして。

「ふにゃにゃか、ふにゃにゃか、ほい、とら、ふにゃかん」

 回転しながら首を前後左右に倒す。

「ふにゃにゃか、ふにゃにゃか、ほい、とら、ほい、とら、ふにゃにゃか、はい! ほい!」

 そしてまた最初のふりに戻る。

「あー、はい、はいっ、はいっと、はい! はははははいほい、はい、ほほい! あーはいはいっはいっと、あーはいほいへいほいはいー、はい! あ、はい! あっ、はい! らいらいはいほい!」

 ハーフアップにしている栗色の髪が乱れるのは気にしない。

「あー、はい、はいっ、はいっと、はい!」

 その時はまだ知らなかった。

「へいほい、ほいっ、と、へい! へい! はい、ほいっとー、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい!」

 この踊りがどうなるか、なんて。
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