婚約破棄されたその日に踊った踊りが、いつしか、地域の踊りとして定着しました。表彰までされて驚きです。

四季

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後編

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 数ヵ月後、あの踊りが村で大流行し、村長の娘が気に入ったこともあり『地域の踊り』に制定された。以降、この村では、何か式典があるたびあの踊りを皆で踊ることとなって。さらに、驚いたことに、文化の発展に貢献したとのことで私は表彰された。表彰の際、固まったお金も貰えたので、我が家はぐっと裕福になった。

 その話を聞いた元婚約者がやって来て、「村に貢献したそうだな。今なら妻として受け入れてやってもいい」と言ってきたのだが、「受け入れていただかなくて構いません」とはっきり断った。

 今さらやり直す気はない。

 私は踊りが忙しいのだ。
 今日も村の子に踊りを教える会に参加しなくてはならない。

「ではみんな踊ってね! ……あー、はい、はいっ、はいっと、はい! はい、ほい、ほいはは、あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あー、はい、ははい、はいっと、はい! ほいはいははほい、ほい、はは、あー、はい、はいっ、はいっと、はい!」

 子どもたちは懸命に踊る。

「あー、はい、はいっ、はいっと、はい!」
「はい、はい、ほいーっ、と、はい!」
「あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! ははほほほははははっ、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい!」

 それから一年が経った頃、元婚約者が亡くなったことを知った。

 風邪をこじらせてしまったそうだ。

 気の毒には思うが、まぁ、たまにはあること。
 そこまで気にしなくていい。

「みんな踊るよー」

「「「「「はぁーいっ!!」」」」」

 私はこれからも踊り続ける。

「あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! はい、ほい、ははははほい、ほい、へいほほ、あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あーあーあー、っほい! ほいへほへいほい、ほいっへい、あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっ、はい! あー、はいっ、はいっと、はい!」

 婚約破棄の直後に発明され富までもたらしてくれた、この、特別な踊りを。

「あぁあー、はい、はいっ、はいっと、はい! いー、はい、はいっ、ほいっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! はははいほいはい、ほい、ほほ、ほいっと、ほい! ほい! はいほいほはい! はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はははいほい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! はい! はい! へいほいへいほい、ほいっへい、はい! はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい!」

 それが私の人生だ。

「あー、はほい、はへいいっ、はほっと、はい! あー、はい、はいっ、はいっと、はい! あー、はほははへいほい! はい、はいっ、はいっと、はい!」


◆終わり◆
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