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前編
しおりを挟む私には妹がいる。
ルレアという名の彼女は、私より美人で、蝶よ花よと育ってきた。
そのため少々身勝手なところにある娘となってしまっている。
そんな彼女は、他人のものを奪うのが好きだ。
これまで私はいろんなものを奪われてきた。
おもちゃ、誕生日に贈られたもの、花束、私にと渡されたお菓子、親しい友人……私が手にしたものはほとんど彼女に横取りされる。
だが今、私は、生まれて初めてルレアに奪ってもらおうという思考を抱えているところだ。
私には婚約者がいる――名はフェリグというのだが――彼は外面は非常に良いのだが婚約者である私に対してはとても心ない接し方をしてくるのだ。
少しでも気に食わないと暴れる。
驚くくらい小さなことまで注意してくる。
こちらが意見を言えば激怒。
私は無関係でも不機嫌だと物を投げつけてきたり殴る真似をしてきたりする。
そんなフェリグと結婚するなんて耐えられない。婚約者同士という関係性の今でさえ嫌な気分に満ちているのに。彼と同じ屋根の下で生きてゆくなんて絶対に嫌だ。どうやってもそうしたいとは思えない。
だから私はフェリグをルレアに奪ってもらうことにしたのだ。
そのために私は動いた。
二人を出会わせたり。
二人が喋られる場を設けたり。
――そして、ついに。
「悪いな、お前との婚約は破棄することにした」
「そしてあたくしと婚約するんですのよ!」
フェリグはルレアを連れて私のところへやって来た。
そして告げてくる。
関係の解消、婚約破棄を。
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