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前編
しおりを挟む三歳の時に勝手に親が決めて婚約者同士となっていた彼アムソルとは途中までは仲良しだったのだけれど、七歳の時小さなことから大喧嘩になってしまって、その時に「もう二度と会わない!」と言われ疎遠になってしまった。
で、その後、数年経ってから婚約破棄通知が届いて。
『貴方と共に生きるということはしません、親が勝手に決めただけの婚約だからです』
通知にはそういった一言が書き込まれていた。
それによってアムソルとの関係は終わりを迎えたのだが――その数日後ニュースが出て、アムソルが交通事故によって亡くなったということが分かった。
その次に婚約者ができたのは十八歳の時。
親の勧めで一度会ってみた人と婚約することになった。
彼の名はルックゥという。
お互い同意してのものではあったのだけれど。
ただ、婚約期間中にルックゥが数人の女性と深い関係になっていることが判明し、我慢できず意見を言ってしまった。それによって彼は怒り出して、勢いのままに婚約破棄を告げてきた。
そうしてルックゥとの婚約も終わりを迎えてしまう。
その彼は、一週間後の夜、何者かに刃物で刺されて亡くなった。
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