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後編
しおりを挟む三人目の婚約者は、伯父が紹介してくれた男性だった。その男性ルトカーは十くらい年上で、寛容さのある人なので印象は悪くなかった。そこそこ良い感じなのでは、と思っていた。ただし、途中までは。ある時酷い浪費家であることが判明し、ある時そのことについて喋っているうちに言い合いになってしまって、その場で婚約破棄を宣言されてしまった。
だがその彼は数ヶ月後、借金取りに殴られて死亡した。
――と、これまで私との婚約を破棄した男性はもれなく死亡することとなってしまった。
だが、二十四歳の時に出会った彼アダムルクスとは気が合って、初めて真っ直ぐに婚約にまで至ることができた。
「よろしくね!」
「はい」
「これからも仲良くしてね!」
「もちろん」
◆
あれから数年、私はアダムルクスと結婚して穏やかに暮らせている。
「今日もいい天気だね」
「そうね」
「ああ、晴れた空って心地いいよね」
「アダムルクスは好きね、晴れの日」
「うん! 僕は晴れが好き!」
「まぁでも確かに、晴れた日の空って眺めていたらすっきりするわよね」
今は、幸福を掴めたと――純粋にそう思う。
◆終わり◆
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