大嫌いな妹が婚約破棄されました。ざまぁ、いい気味だわ、と思ってしまいます。

四季

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前編

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「お姉様! あたくし、エルビー様と婚約することになりましたの!」

 妹がそんなことを言ってきたのは今から二ヶ月ほど前。

 彼女は前から憧れていたエルビーという男性と婚約することに成功した。

 ただし、親の権力を使って、だけれど。

 私は彼女が大嫌いだ。妹だけれど、それでも好きにはなれない。だって彼女は小さい頃からいつも私を虐めてきていた。しかも、少し都合が悪くなると可愛くぴーぴー泣いてすべてを私のせいにしてくるのだ。また、馬鹿な親たちはそれにまんまと乗せられ、私が悪者だと勘違いするから厄介だ。

「そうなの、おめでとうー」
「うっふふ! ありがとう! お姉様、羨ましいならそう言っても良いんですのよ? うっふふふ、冗談ですわっ」

 そういった経緯もあり、彼女の婚約もそれほど純粋には祝福できなかった。

 どうしてもこれまでの彼女の行いを思い出してしまって。
 真っ直ぐに祝いの気持ちを抱くことはできなかった。
 姉として祝福するべきと思ってはいてもどうしても無理だった。

 もしこれが仲良しの姉妹だったとしたら、きっと、妹の幸せを共に喜べたと思う。


 ◆


 そして今日。

 毎日そうしていたようにエルビーのところへ遊びに行っていた妹が走りながら帰ってきた。

「お母様ぁ! お父様ぁ! あああああああああああぁぁぁぁぁぁん!!」

 妹は号泣していた。顔全体を真っ赤にして。鼻も、目もとも、赤く染めて。涙やら何やら、あらゆる体液でぐちゃぐちゃにしながら、帰ってきたのだ。

 何事かと思っていると。
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