幼馴染みで婚約者でもある彼が他の女を作っていたことが判明しまして!? ~婚約破棄後良縁を得られました、とても嬉しいです~

四季

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後編

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 ◆


「午後のお紅茶をお持ちしました」
「あっ、嬉しいですありがとうございます」

 アダームスとの婚約が破棄になり落ち込んでいた私のもとへ舞い込んできた婚約希望、それは、この国で二番目くらいに規模の大きい領主の家の子息からのものであった。

 いろんな意味でやけくそになっていた私はそれを承諾。

 将来領主となるであろう青年と婚約し、結婚にまで至った。

「貴女がお好きだと仰っていたアップンティーをお淹れしております」
「ええっ、嬉しいです、ありがとうございます! 好きなんですよアップン。アップンってとても良い木の実ですよね、香りが最高で」

 実家が太い夫と結ばれたため、私は今非常に穏やかな環境で生活できている。

 静かで立派な家で、穏やかに過ごせて、美味しいものを食べられて良い香りのお茶を飲めて、優しい人に囲まれて――これを幸せと言わずして何と言うのか。

「やはり凄く語られますね?」
「あっ、ごめんなさい、迷惑ですよね」
「いえいえ。本当にお好きなんだなぁ、と思うだけですよ。悪くなんて思いませんから、ご安心を。ふふ」

 ちなみにアダームスはあの時の女性と結婚しようとするも失敗したらしい。

 というのも、いざ結婚を考える頃になって、女性に自分のような立ち位置の男が何人もいることが判明したのだそうだ。

 それで女性とその親と共に話し合いをしていたある日の晩、闇組織の男を呼ばれてしまい、ぼこぼこにされてしまったそうで――その一件以降アダームスは女性と疎遠になり、結局結婚できないまま終わったのだとか。

 しかしそれもまた彼の選択。

 そういう意味では結果がどうなろうとも彼自身の責任だろう。


◆終わり◆
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