愛していたのよ、貴方のことを誰よりも……。

四季

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愛していたのよ、貴方のことを誰よりも……。

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「もうおしまいにしよう、婚約は破棄だ」

 その言葉が私の首を断ち切った。

 思えば私たち、出会いは刺激的なものではなかったわね。
 晩餐会での出会い。
 最初は婚約する関係になるなんて思わなくて。

 でも共に過ごす時間は楽しかった。

 私は貴方といられるだけで幸せだったし、貴方も笑ってくれていて。あまり異性との交流がなかった私にとって、貴方は希望の光だった。貴方を見つめているだけで楽しい気分になれるような気がしたの。

 あの頃は幸福のただなかにいた。

 どうして、こうなってしまったのかしら。

 愛していたのよ、貴方のことを誰よりも……。

 私、貴方への想いでなら、誰にも負けない自信があったの。いえ、いまでもあるわ。けれども、どんなに想いが強くても、貴方を握っておくことはできなくて。貴方は私から離れていってしまった。

 こんなの……悲しいとしか言い様がないわね。

 でもこれが現実。
 私が見ていたのは所詮夢でしかなかったの。

 だからもう私たちは共に行けないのね。

 でもお願い。
 これだけは分かって。

 私を愛さなくてもいい。

 だからこれだけは知っていて。

 愛していたのよ、貴方のことを誰よりも……。


◆終わり◆
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