婚約者が女と会っていました、関係を終わりにします。~彼の浮気癖は一向に改善していないようですね~

四季

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1話

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 婚約者の彼エルトンは私を愛していると口では言っていた。しかしそのわりには私の希望を無視するといったことが目立っていて。特に、自分の用事での外出に関しては少しも私の都合を考慮してくれない人だった。

 だが、はじめのうちはそういう性質の人なのだろうと思っていて、敢えて責めるようなことはしないでいた。

 しかしある時友人から聞いてしまう――エルトンがいつも同じ女と二人で路地裏に入っていく、という話を。

 もちろん嘘の可能性だってあった。その友人が私と彼を引き裂こうとしているということだって考えられるわけで。しかし、敢えてそんなことをするだろうか、と思う部分もあって。だから私は実際にこの目で真実を確かめてみることにした。それが一番確実で早いと思ったからだ。

 ――その結果、エルトンは本当に女と会っていた。

「あなたは一体何をしているのですか?」
「げっ! お、お前、どうしてここに……」

 三回目に直接声をかけてみた。

「婚約者がいる身で女連れとは酷いですね」
「は、はぁ? 勘違いすんな、こいつとはそんなんじゃねえ!」
「ですが先日路地裏でそういう感じのことをなさっていましたよね、見ていたのですよ」
「嘘つけ!」

 どうやらごまかす気でいるようだ。
 ならばはっきりと攻め込んでやろう。

「証拠写真だってあります」
「なッ!?」
「……逃げられませんよ、エルトンさん」
「ぐ、ぐうう……くそが……」
「ではそういうことで、手続きさせていただきますので」
「ま、まさか! 婚約破棄か!」
「そうですよ? 当たり前でしょう、貴方への信頼は今やゼロなのですから」

 エルトンも隣にいる女も青い顔をしている。

 でも躊躇なんて一切ない。
 そもそも先に罪深いことをしたのは二人だ、私だけが気を遣ってあげる必要なんてないはずだ。
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