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2話
しおりを挟む「情報も流します、そして、婚約は破棄です。……さようなら、エルトンさん」
私は二人からしっかりと慰謝料を取り、エルトンとの婚約は破棄。
そして彼の行いについて世に流した――もっともそれは勝手に流れてしまったというような形に近いのだけれど。
ただ、それによってエルトンも女もそういう人間だとして皆から見られるようになって、社会的な評価を著しく落とすこととなった。
でも自業自得だ。
私だけが嫌な思いをさせられるなんて嫌。だって私は何もしていないのに傷ついたのだ。なのにあの二人の罪がひっそりと慰謝料の支払いだけで終わるなんて許せない。彼らも傷つけばいいのだ、そもそもの原因は自分たちの罪なのだから。
その後私はどうなったかというと。
「貴女はとても美しい人だ……恋人となっていただきたい……いかがだろうか?」
「お前最高な女だな! 好きだ!」
「結婚しない? 僕と。うちは金持ちだから、きっと君を幸せにできるよ。それに僕は一途だしね。浮気とか絶対にしないよ!」
複数の男性から求婚された。
ただ、その時はあまり男性と関わりたくなかったので、すべて断った。
申し訳ないけれど。
でも仕方がない。
それに、将来を考えていない状態で誘いに乗るというのも相手を振り回すようで無礼だろう。
今はまだ将来など考えられない。
だから断る。
それは普通のこと。
そしてある意味相手への誠実さだと思うのだ。
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