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3話
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エルトンとの婚約破棄から数ヶ月が経った頃、行きつけの花屋にて若い男性店員と仲良くなった。
そして関係は徐々に進展していく。
「よければ今度、食事にでも行きませんか?」
「いいわね!」
ついにお誘いが来て。
「良かった。……ああ良かった、勇気を出して言ってみて。緊張しました。では! どうかよろしくお願いします!」
「よく考えて見たらそういうのって初めてよね」
「はい」
私たちはまた新たな一歩を踏み出す。
「ああそうだ、じゃあ、これを機にそっちもため口にしてくれないかしら」
「えっ」
「その方がもっと親しくなれた気がすると思うの」
少しずつでも確実に。
私たちの距離は縮まっている。
「あ、そうですね。では……これからはもう少し親しげに……これから、改めてまたよろしく」
「ええ!」
「……変じゃない、かな?」
「もちろんよ、変なわけないわ」
「違和感があって……」
「大丈夫、きっとすぐに慣れるはず!」
「そうだね。頑張ってみるよ。あ、でも、ちょっと変でも許してね」
◆
あれから数年、私は彼と結ばれた。
結婚式も無事挙げられて。
祝福の中で私の暮らしは新しい環境へと移行してゆく。
ちなみにエルトンはというと、あの後結婚するも不倫を何度も繰り返したそうだ。
早めに縁を切っておいて良かった……。
で、どうなったかというと。
五回目の不倫の際についに妻に「もう許せない」と言われ離婚の手続きを始められてしまったそうだ。
そして会社にもその行動を報告されて。
その結果、不倫された経験のある社長をとんでもなく怒らせてしまい、クビにされてしまったそうだ。
エルトンは家庭と仕事を同時に失ったのだった。
◆終わり◆
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