良くも悪くも、人生とは分からないものですね。~捨てられた私に歩み寄ってきてくれたのはハッピーエンドでした~

四季

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前編

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 今からさかのぼること数日。
 私は人生で初めてとなる婚約破棄を経験した。

 いや、それはそうか、当たり前か。

 婚約破棄なんて一生において何度も経験するものではない。そもそも婚約者ができて初めて起こることだし。婚約者がいない段階で発生することはない出来事だ、それゆえ、普通に生きていて頻繁に出会うような出来事ではない。

 一方的に捨てられた。
 その事実にもやもやして。

 それで私は家の近くの海で泳いでいたのだが。

「あ、あなたは! もしかして! 海の女神、人魚様では!?」

 そこで一人の青年に出会った。
 オルフォと名乗る彼は私の泳ぐ姿に惚れたようだった。

「好きです! 将来を見据えつつお付き合いしてください!」

 オルフォは海に入ったままそんなぶっとんだことを言ってきて。

「ええと……落ち着いてください」
「お、落ち!?」
「取り敢えず陸へあがりましょうか」
「ど、どど、どういうことです!? それは!?」
「オルフォさん、ですよね。こんなところでお話していては危険です。もし波が来たら大変ですし。ですから一旦陸へあがりましょうよ」
「あ、はい……。そう、ですよね……はい、まさに、その通りです。では……お言葉の通り、そうしましょう」

 こうして私とオルフォの関係は幕開けた。
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