ミルナの決意

四季

文字の大きさ
上 下
1 / 2

前編

しおりを挟む
 ミルナは決意した。今日こそ抱いている想いをルジェベリアに伝える、と。これまではチャンスがあっても逃してきたが、もうそんな惜しいことをする気はない。心を決めたミルナは、ルジェベリアの部屋へと向かった。

「ルジェベリア、いる?」
「あぁ。いるぞ」

 自室のベッドに腰を下ろしていたルジェベリアは、いつもは一つに結んでいる髪を下ろしている。着用しているのはワイシャツとグレーのズボン。ちなみに、首もとのボタンは外れ気味であり、胸もとはやや開放的になっている。

「今少しいいかな、って……」
「どうした?」
「えっと……その、ちょっと喋りたくって」
「あぁ、そうか。ならここへ座るといい」

 ルジェベリアは何も思わず自分の隣に座るよう提案する。
 ミルナはそれに従ってルジェベリアの隣に座った。

「どうした? ミルナ。またいつものように寂しくなったのか?」
「そんな感じ」
「ははは! 相変わらずだな!」

 何も思っていないルジェベリアは爽やかで軽く笑い声を発する。

 直後、ミルナは隣にいるルジェベリアに顔をぐいと近づけた。事情が読み取れずきょとんとするルジェベリア。そんな彼女に何も説明しないまま、ミルナはさらに片腕を掴む。二人の距離が縮む。

「……こういうこと、させてくれる?」

 ミルナは生まれて今までで一番勇気を出してルジェベリアに接近。ベッドに押し倒す。
しおりを挟む

処理中です...