ミルナの決意

四季

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後編

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「どうした、そんなに遊びたいのか」
「遊びたいんじゃない……こういうことをしたいの」

 緊張しながらも指先を動かし、ルジェベリアが着ているワイシャツのボタンを一つずつ開けていく。
 刹那、ルジェベリアは片腕を動かして、ミルナの身体を自分の方へ引き寄せた。

「ははは! そういうことならすりすりしていいぞ!」
「え……」
「すりすりして安心したいのだろう? 好きにするといい。ま、ゴツゴツしていて気持ちよくないだろうがな! しかし、ミルナもまだまだ子どもだな」

 ルジェベリアに抱き寄せられるような体勢になり、ミルナは顔を真っ赤に染める。

 よりによってそんな時に扉が開いた。

「ちょっと姉さーーっ!?」

 ルジェベリアに用があって訪ねてきたアステロイナーは、姉がミルナといちゃついているところを目撃してしまい、「すみませんでしたー」と小さめに言いながら退室していった。


 ◆


 それ以来、ルジェベリアは定期的にミルナと触れ合ってくれるようになった。ミルナの本当の気持ちは伝わっていないようだが、それでも、ルジェベリアと触れ合えることは幸せだった。

 一方アステロイナーはというと、姉がミルナとそういう関係であったと誤解してしまっていて。聞くに聞けず、一人悶々としていたのだった。


◆終わり◆
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