婚約者とその母親がこき使いしかも虐めてきます。～彼らの悪い行いを知ることができたので破滅させる方向で動きます～

後編

　そして、アイドライとその母親はしていたことを世に出した。

　違法薬物の売買についてはもちろん、婚約者である私に対してしてきたことも、すべて。

　――それによって、二人は破滅した。

　とはいえ、婚約者虐めだけであれば拘束はされなかっただろう。二人がしていたのは暴力的な虐めではないので周りから白い目で見られる程度で済んだかもしれない。しかし違法薬物の売買はさすがにその程度で済む問題ではない。ということで、最終的に二人は逮捕された。

　アイドライは五十年の労働刑に。
　彼の母親は十年の労働の後処刑という刑に。

　それぞれ終わった。

　もちろん、アイドライと私の婚約は破棄となった。

　……痛い目に遭わされれば、少しは痛みが分かるようになっただろうか？

　いや、期待するだけ無駄か。もともと心ない人たちだ、そう簡単に変わるとは思えない。もし簡単に変わる人なのならきっと今までにでも多少は変化があったことだろう。それがなかったのだから、好き放題他人を虐めてきたのだから、きっと彼らが変わることはない。

　――それから数年、私は若き領主と結婚し、幸せになった。

　今も時折あの頃の夢をみることがある。
　こき使われ心ない言葉ばかりを投げかけられる夢。

　でもそれは所詮夢。

　だから大丈夫、幸せな今は確かに存在しているのだから。


◆終わり◆