自信家でプライド超高い系女であった妹ですが、色々あって壊れてしまいました。ちやほやされて育ってきたのに……可哀想ですね。

四季

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2話

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 ◆


 秋の始め頃、妹が突如風邪を引いた。
 その翌日に彼女が参加する予定だった王都開催のパーティーには代わりとして私が参加することとなる。

「お姉さま、恥を掻くなんてことは……絶対やめてもらいますわよ……」
「ええ、頑張るわ。完璧に振る舞ってみせる」
「そう……良い覚悟、ですわね……、良いですわ……」
「任せて! じゃあ、行ってくるわね」

 これまで私はパーティーになんて参加させてはもらえなかった。そういう華やかな場に連れていってもらえるのは大抵妹だったのだ。そこに私が入る余地はなかった。妹が華やかな場へ連れていってもらっている間だって、私はずっとお留守番ばかりで育ってきたのである。

 緊張はする。
 でもときめきはある。

 まだ見ぬ世界へ飛び立ってゆけることが、とても嬉しくて……。

 そしてそこで巡り会うこととなる。
 運命の相手、近い将来特別な存在となる人と。

「貴女はとても美しいですね」
「え、ええ……」
「いや、失礼しました、そのようなことを。無礼で申し訳ありません。ただ、どうしても、わき上がるこの気持ちを伝えたくて」

 エンビフォウと名乗った彼は王子であった。

 その日から人生は大きく変わり始めた。
 彼からアプローチを受けるようになったのだ。

 彼はたびたびいろんなものを贈ってくれたし、わざわざ会いに来て話をしてくれることだってあった。

 最初のうちは戸惑いも大きかった。
 けれども段々慣れてきて。
 共にあることに慣れるにつれて、彼への理解を深めるにつれて、私は彼の誠実さに気づくようになっていった。

 そして、やがて、そんな彼に惹かれるようになっていった。
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