降り注ぐ冷たい雨 貴方がいなくなった世界で一人

四季

文字の大きさ
1 / 1

降り注ぐ冷たい雨 貴方がいなくなった世界で一人

しおりを挟む

降り注ぐ冷たい雨
貴方がいなくなった世界で一人
ぽつんと
佇んで
涙して
意味もなくただ浴びている

貴方と共にあれた頃は
いつだって楽しくて
いつだって暖かで
まるで春みたいな色に包まれて
毎日が幸せそのものだった

幸せに形はないけれど
本気で幸せと思えていたのね
振り返れば
貴方が隣にいてくれたからで
思い返せば
記憶にはいつだって貴方の姿があったの

けれどももう
ここには誰もいない
私の隣には
ただ空白があるだけ……

降り注ぐ冷たい雨
貴方がいなくなった世界で一人
ぽつんと
佇んで
涙して
意味もなくただ浴びている

もしも貴方が生き延びていたなら
きっと婚約破棄になんてならなかったのに
だって私たちは
ずっと想いあっていたんだもの

死が二人を引き裂いた

どうしてこうなってしまったのだろうと
いくつ年が過ぎても思うでしょう
どうしてこんな風になってしまったのだろうと
きっと何千回でも繰り返す

ただ生きていてほしかった

貴方に

特別な貴方に

今宵はきっと雨ね
涙を溶かし隠すような滴

降り注ぐ冷たい雨
貴方がいなくなった世界で一人
ぽつんと
佇んで
涙して
意味もなくただ浴びている
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

妻を蔑ろにしていた結果。

下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。 主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。 小説家になろう様でも投稿しています。

お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。

四季
恋愛
お前は要らない、ですか。 そうですか、分かりました。 では私は去りますね。

貴方が望むなら死んであげる。でも、後に何があっても、後悔しないで。

四季
恋愛
私は人の本心を読むことができる。 だから婚約者が私に「死んでほしい」と思っていることも知っている。

失礼な人のことはさすがに許せません

四季
恋愛
「パッとしないなぁ、ははは」 それが、初めて会った時に婚約者が発した言葉。 ただ、婚約者アルタイルの失礼な発言はそれだけでは終わらず、まだまだ続いていって……。

さようなら、あなたとはもうお別れです

四季
恋愛
十八の誕生日、親から告げられたアセインという青年と婚約した。 幸せになれると思っていた。 そう夢みていたのだ。 しかし、婚約から三ヶ月ほどが経った頃、異変が起こり始める。

婚約破棄して支援は継続? 無理ですよ

四季
恋愛
領地持ちかつ長い歴史を持つ家の一人娘であるコルネリア・ガレットは、婚約者レインに呼び出されて……。

もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?

四季
恋愛
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?

婚約者の座は譲って差し上げます、お幸せに

四季
恋愛
婚約者が見知らぬ女性と寄り添い合って歩いているところを目撃してしまった。

処理中です...