紅茶を飲みつつ振り返る過去 ~あの婚約破棄は衝撃的かつ辛いものでしたがそのおかげで今があると思っています~

四季

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後編

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 婚約破棄は受け入れるしかなかったけれど。

 でもどうしても前は向けなかった。

「好みに合わせて、か」
「それは難しいかしら」
「いいや、そんなことはないし、参考にさせてもらうよ。ありがとう」

 そんな日の夜、雨の中外で座って泣いていると、たまたま仕事を終え帰宅する途中だったロークレインが心配して声をかけてくれて。

 それで私たちは知り合った。

 それから積極的に交流を重ねるようになっていった私と彼は次第に仲良くなり、やがて結ばれる。

 そして今に至っている。

「ところで、今、何か考え事してる?」
「えっ」
「別のこと」
「……どうして分かるの?」
「分かるよ、顔を見ていればね」
「そう……」
「何か悩みでも?」
「いいえ。ただ、少し、昔のことを思い出していたの。それだけよ」

 ロークレインとの関係は今でも良好だ。
 ただ私の思考はほぼすべて彼にばれてしまう。
 だからどうやっても隠し事はできない。

 もっとも、隠さなくてはならないようなことをする気はないが。

「そっか」
「ええ」
「もし何か困ったことがあったら言ってね? 協力できることならするから」
「ありがとう」

 ちなみに元婚約者の彼は結婚後も何度も不倫を重ねたために慰謝料をもぎ取られ子は没収され離婚されるということになってしまったらしい。

 でも、彼には救いなど必要ないのかもしれない。

 だって彼は反省しない。
 何度でも欲望のままに動く。
 なら罰だって必要だろう。


◆終わり◆
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