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3話「切り刻む」
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彼は時に元婚約者の女性に不満があったことを話していた。それは私に対する言葉。中には鋭い刃のような言葉もあり傷つきもしたけれど、それでも私は穏やかに接し続けた。
何とでも言っていればいい。
痛い目に遭うのはケインの方だ。
それから数ヶ月が経った頃、いつものように会う約束をして喫茶店へ行くと、ケインは薔薇の花束を手にしていた。
「お花を持っていらっしゃるなんて珍しいですね」
微笑みかけると。
「ルリーさん、実は、その……今日は、伝えたいことがあったんだ」
彼は真っ赤になりながら言い、花束を差し出してきた。
「俺と結婚してくれ」
あぁついにこの時が……。
私がずっと待ち望んだ瞬間。
長かったけれどついに。
「……何を仰っているのです?」
私は冷ややかな表情を作る。
いや、わざわざ作るまでもない。
彼への憎しみならここにある。それも強いものが。それゆえ、その心を剥き出しにするだけで、残酷な表情をむけることはできる。
私は差し出された花束を手で払ってから片足で踏みつけた。
「勘違いしないでください」
「え……」
ケインは青ざめる。
「貴方と結婚? するわけないでしょう」
「…………」
「貴方みたいな下の下の容姿の男性を愛するなんて、そんなこと、あるわけがありません」
その場でへたり込むケイン。
「少し話をしただけで結婚を申し込むなんて気持ち悪い」
私はその場で一礼し。
「さようなら。……二度と私の前に現れないでください」
◆
その後私は私に戻った。
ケインはあれからショックのあまり情緒不安定になり、親と一緒に住んでいた屋敷の中を荒らし破壊し尽くしたことで、親に捨てられたそうで、今は更生施設に入れられているそうだ。
だが症状が改善する傾向はなく。
施設内でも毎日のように叫びさながら暴れ、泣いて出た鼻水を部屋の窓枠になすりつけている時以外は常にとんでもないことになっているらしい。
彼の心は破壊されきったのだろう。
◆終わり◆
何とでも言っていればいい。
痛い目に遭うのはケインの方だ。
それから数ヶ月が経った頃、いつものように会う約束をして喫茶店へ行くと、ケインは薔薇の花束を手にしていた。
「お花を持っていらっしゃるなんて珍しいですね」
微笑みかけると。
「ルリーさん、実は、その……今日は、伝えたいことがあったんだ」
彼は真っ赤になりながら言い、花束を差し出してきた。
「俺と結婚してくれ」
あぁついにこの時が……。
私がずっと待ち望んだ瞬間。
長かったけれどついに。
「……何を仰っているのです?」
私は冷ややかな表情を作る。
いや、わざわざ作るまでもない。
彼への憎しみならここにある。それも強いものが。それゆえ、その心を剥き出しにするだけで、残酷な表情をむけることはできる。
私は差し出された花束を手で払ってから片足で踏みつけた。
「勘違いしないでください」
「え……」
ケインは青ざめる。
「貴方と結婚? するわけないでしょう」
「…………」
「貴方みたいな下の下の容姿の男性を愛するなんて、そんなこと、あるわけがありません」
その場でへたり込むケイン。
「少し話をしただけで結婚を申し込むなんて気持ち悪い」
私はその場で一礼し。
「さようなら。……二度と私の前に現れないでください」
◆
その後私は私に戻った。
ケインはあれからショックのあまり情緒不安定になり、親と一緒に住んでいた屋敷の中を荒らし破壊し尽くしたことで、親に捨てられたそうで、今は更生施設に入れられているそうだ。
だが症状が改善する傾向はなく。
施設内でも毎日のように叫びさながら暴れ、泣いて出た鼻水を部屋の窓枠になすりつけている時以外は常にとんでもないことになっているらしい。
彼の心は破壊されきったのだろう。
◆終わり◆
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