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2話「別人になり」
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「復讐したいのなら、人格入れ替え魔法で別人になって改めて彼に近づいてみてはどう?」
「そんなことが……できるのでしょうか」
「できる。できるから言っているの。魔法使いにもプライドがあるもの、できもしないことをできるだなんて言わないわ。そんなことを言っても後で恥をかくだけだから」
別人になって、か。
それもありかもしれない。
「でも、高額……ですよね?」
「ま、魔法の中じゃ中くらいね」
「そうですか……。あの、では、お願いしても良いですか?」
すると魔法使いは問う。
「心は決まったの?」
私はこくりと頷く。
「はい」
そうして人格入れ替え魔法を頼むことになった。
で、私は驚くくらいの美女になる。
美しい金の髪、艶のある肌、この国において理想的とされる目鼻立ち。私は今、自分でも驚くくらい、魅力的な容姿の女性となっている。本当に、すべてが変わってしまった。この身体は多分他人のそれなのだろうけれど、今、私はその身体を持ち操っている。
「じゃ、頑張って」
「はい!」
◆
「あの……少し、お隣良いでしょうか?」
その日、喫茶店にてケインに声をかけた。
彼は朝はいつもここに通っている。
それは知っていた。
なので彼に声をかけるきっかけを作るのは容易かった。
「あ……。は、はい、どうぞ」
彼は顔を真っ赤にしていた。
中身が私だとも知らず照れている。
実に愉快な眺めだ。
騙されていると気づかない憐れな男。
「ありがとうございます」
「い、いえいえ……」
それから私は彼と色々話した。
「よくここへ来られるのですか?」
「あ、う、うん。あっ、はい、そうなんです」
「そうですか。美味しいですよねこのお店の紅茶」
「貴女もよく……?」
「えぇそうなんです。紅茶を飲むのが大好きで」
それからも私は彼と定期的に会った。
すべては企みのため。
そのためなら憎い相手と仲良くすることだって辛くはない。
「そんなことが……できるのでしょうか」
「できる。できるから言っているの。魔法使いにもプライドがあるもの、できもしないことをできるだなんて言わないわ。そんなことを言っても後で恥をかくだけだから」
別人になって、か。
それもありかもしれない。
「でも、高額……ですよね?」
「ま、魔法の中じゃ中くらいね」
「そうですか……。あの、では、お願いしても良いですか?」
すると魔法使いは問う。
「心は決まったの?」
私はこくりと頷く。
「はい」
そうして人格入れ替え魔法を頼むことになった。
で、私は驚くくらいの美女になる。
美しい金の髪、艶のある肌、この国において理想的とされる目鼻立ち。私は今、自分でも驚くくらい、魅力的な容姿の女性となっている。本当に、すべてが変わってしまった。この身体は多分他人のそれなのだろうけれど、今、私はその身体を持ち操っている。
「じゃ、頑張って」
「はい!」
◆
「あの……少し、お隣良いでしょうか?」
その日、喫茶店にてケインに声をかけた。
彼は朝はいつもここに通っている。
それは知っていた。
なので彼に声をかけるきっかけを作るのは容易かった。
「あ……。は、はい、どうぞ」
彼は顔を真っ赤にしていた。
中身が私だとも知らず照れている。
実に愉快な眺めだ。
騙されていると気づかない憐れな男。
「ありがとうございます」
「い、いえいえ……」
それから私は彼と色々話した。
「よくここへ来られるのですか?」
「あ、う、うん。あっ、はい、そうなんです」
「そうですか。美味しいですよねこのお店の紅茶」
「貴女もよく……?」
「えぇそうなんです。紅茶を飲むのが大好きで」
それからも私は彼と定期的に会った。
すべては企みのため。
そのためなら憎い相手と仲良くすることだって辛くはない。
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