「貴女、いい加減コンロコ様から離れてくださらないかしら」婚約者の幼馴染み女からそんなことを言われたのですが……?

四季

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1話

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「貴女、いい加減コンロコ様から離れてくださらないかしら」

 婚約者にしてこの国の王子でもあるコンロコには幼馴染みの女がいる。
 ただの幼馴染みなら微笑ましい話だ。
 しかしこの場合はそんなほっこりするような幼馴染みではない、それゆえ何かと厄介である。

「レリナさん……」
「様に一番愛されているのはこのあたくしよ、付き合いも長いし」

 今日はコンロコの厄介な幼馴染みレリナから呼び出された。そしてこうして二人で崖の傍にいる。彼女と二人で出掛けるのはこれが初めてだ。何でも海を見たいとか何とかで急に誘われたのだが――正直、嫌な予感しかしない。

 コンロコ自体は悪い人ではない。
 でもレリナを傍に置いているというのが非常に厄介なところだ。

 それさえなければ彼は良き婚約者なのだが。

「っていことで、今日は貴女に消えてもらうわ」
「え――」
「さぁ! 死になさいっ。事故、でね!」

 レリナは突然私の腹部に手のひらを当てて強く押してきた。
 私は思わず身体を後ろ向きに揺らした。
 一度崩れたバランスはそう易々とは元には戻らない、それゆえふらつくように後ろへと倒れそうになる。

 背後は崖だ。

 まずい、このままでは転落死する。

 そう思い焦る。

 こんなところで死ぬ?
 それも婚約者の幼馴染みなんかに押されて?

 ――ここで人生を終わりにしていいの?

 その時、私は一瞬、宙に神の姿を見た。
 何もないはずも空間に現れた神は表情を作りはしないままで両腕をこちらへと伸ばしてくる。
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