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2話
しおりを挟む「助けて!」
思わず叫んだ。
直後、神の腕が私の胴を後ろから包み込む。
服越しにふわりと伝わる微かな熱。
母親の腕に抱かれているような感覚。
――そして気づけば私は城へ戻っていたのだった。
「大丈夫か!?」
私の顔を覗き込むクトルフの顔面は青くなっていた。
「え……く、クトルフ……さん……?」
「危うく転落死するところだったそうじゃないか!」
「え、っと、あの……って、あ! そ、そうでした! 私っ……」
「話はすべて聞いた。レリナが殺そうとしたのだろう? 君を。しかし奇跡が起きて、それによって君は命拾いしたのだとか」
どうやらクトルフは既にすべてを知っているようだ。
「ご存知……なのですか?」
「ああ。目撃者がいたそうでな、報告を受けた。しかし驚いた、まさかレリナがこんなにも酷いことをしていたなど――嘘と思いたいくらいだ、が、そうはいかない。実際君が殺されかけたのだから」
すべては明らかになったのか。
誰だか知らないがありがとう、目撃者。
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