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この国の王女である私アナスタリアは、王である父親の命令で、この国を魔王軍から守った勇者ガルセインと婚約することとなった。
なぜこんなことになったかというと。
魔王軍を退けたことを喜び開催されたパーティーにて、酔っ払ったガルセインが言ったのだ。金もいいけど王女が欲しい、と。それを本気で言っているのだと理解した父親は、私を彼に差し出したのだ。
とんでもない話である。
私は一人の人間で、物ではないのに。
とはいえ、私も最初は受け入れた。父親が言うなら仕方がない、と。だがそれは、こんな仕打ちが待っていると知らなかったから。ただ王女だというだけで皆からこんな目で見られるなんて考えてもみなかった。
ガルセインの横にいたら「勇者様に嫁いでさぞいい気分でしょうね」とか「勇者の妻という肩書きくらい他の恵まれない子に譲ってあげればいいのに、強欲」とか言われる。
しかし、彼から少し離れたところにいれば何も言われないかというとそうでもなくて。
少し離れていたら今度は「どうして勇者様の横にいないの、婚約者なんでしょ。あ、それともただの噂?」とか「傍にも置いてもらえないなんて、王女様なのに可哀想ねぇ」とか言われる。
本当に、溜め息しか出ない。
色々面倒で。
なぜこんなことになったかというと。
魔王軍を退けたことを喜び開催されたパーティーにて、酔っ払ったガルセインが言ったのだ。金もいいけど王女が欲しい、と。それを本気で言っているのだと理解した父親は、私を彼に差し出したのだ。
とんでもない話である。
私は一人の人間で、物ではないのに。
とはいえ、私も最初は受け入れた。父親が言うなら仕方がない、と。だがそれは、こんな仕打ちが待っていると知らなかったから。ただ王女だというだけで皆からこんな目で見られるなんて考えてもみなかった。
ガルセインの横にいたら「勇者様に嫁いでさぞいい気分でしょうね」とか「勇者の妻という肩書きくらい他の恵まれない子に譲ってあげればいいのに、強欲」とか言われる。
しかし、彼から少し離れたところにいれば何も言われないかというとそうでもなくて。
少し離れていたら今度は「どうして勇者様の横にいないの、婚約者なんでしょ。あ、それともただの噂?」とか「傍にも置いてもらえないなんて、王女様なのに可哀想ねぇ」とか言われる。
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