いちゃつきを見せつけて楽しいですか?

四季

文字の大きさ
3 / 5

3話

「今日はひとまずこれで失礼します」
「さっきから何なんだい! リルリナ王女! 雰囲気を台無しにするようなことばかり!」

 本当のことを少し言っただけなのに逆ギレ。いや、もはや逆ギレにすらなっていないか。だが、何にせよ、突然大声を出すなんて情けない。私が帰ることのどこに問題があるのか。

 とはいえ、こうも刺激されては、私も黙っていられない。

 彼は何かを勘違いしている。

 私は奴隷ではないし、ただの恋人でもない。いずれ妻になるであろう立場にある、一国の王女だ。その私に対して、異性とのいちゃつきを見せびらかしたうえ怒鳴るとは。

 もはや、彼は今の状況を正しく理解していない、と理解せずにはいられない。

「……そんなに高圧的な物言いをして良いのですか?」
「何のつもりだ!」
「国と国の関係性、本当に分かっていらっしゃるのですか」
「なっ……そんなものを持ち出すとは! 何と野蛮な王女!」

 野蛮な王女。それでも結構。野蛮だろうが野蛮でなかろうが、どうせ乱雑な扱いをするのだろう。それに、婚約者である私の気持ちなんて考慮しないのだろう。

 それなら私も好きなようにする。
 自由に勝手に振る舞わせてもらう。

 フランクがこんな風に接してくるなら、こちらとて火花を散らさないために慎ましくする気はさらさらない。

「帰ります。失礼します」

 私はその場から立ち去った。


 ◆


 その後、私は親のところへ行き、事情を話した。

 フランクにつきまとう女がいること。その女のわざとらしい褒め言葉を信じ、フランクが彼女に夢中になっていること。そして、こっそり関わりを持つのではなく、私に仲良さを見せびらかしてくること。すべてを話した。用があると呼び出しておいて二人で迎えてきたことも、もちろん伝えた。

 結果、父親が責任を持って、王子の私生活を調査してくれることとなった。

 現状ではいちゃいちゃしているという情報しかないが、もしも大人の関係があったなら、それは婚約破棄の十分な理由になる。そのための調査である。

 調査は速やかに開始された。
 私は結果が届くのをただひたすら待った。
感想 1

あなたにおすすめの小説

勘違いも凄いと思ってしまったが、王女の婚約を破棄させておいて、やり直せると暗躍するのにも驚かされてしまいました

珠宮さくら
恋愛
プルメリアは、何かと張り合おうとして来る令嬢に謝罪されたのだが、謝られる理由がプルメリアには思い当たらなかったのだが、一緒にいた王女には心当たりがあったようで……。 ※全3話。

姉が私の振りして婚約者に会ってたので、罠に嵌めました。

coco
恋愛
姉は私の振りをして、婚約者を奪うつもりらしい。 以前から、私の婚約者とデートを繰り返していた姉。 今まで色んな物をあなたに奪われた…もう我慢の限界だわ! 私は姉を罠に嵌め、陥れることにした。 闇から立ち上がった私の、復讐劇が始まる─。

愚かこそが罪《完結》

アーエル
恋愛
貴族として、まあ、これで最後だと私は開き直ってでたパーティー。 王家主催だから断れなかったと言う理由もある。 そんなパーティーをぶち壊そうとする輩あり。 はあ? 私にプロポーズ? アンタ頭大丈夫? 指輪を勝手に通そうとしてもある契約で反発している。 って、それって使用禁止の魔導具『隷属の指輪』じゃん! このバカ、王太子だけどぶっ飛ばしちゃってもいいよね? 他社でも公開

さようなら、あなたとはもうお別れです

四季
恋愛
十八の誕生日、親から告げられたアセインという青年と婚約した。 幸せになれると思っていた。 そう夢みていたのだ。 しかし、婚約から三ヶ月ほどが経った頃、異変が起こり始める。

聖夜は愛人と過ごしたい?それなら、こちらにも考えがあります

法華
恋愛
貴族の令嬢であるメイシアは、親同士の政略によってランディと婚約していた。年明けには結婚が迫っているというのに、ランディは準備もせず愛人と過ごしてばかり。そんな中迎えたクリスマス、ランディはメイシアが懸命に用意した互いの親族を招いてのパーティーをすっぽかし、愛人と過ごすと言い出して......。 そんなに協力する気がないなら、こちらにも考えがあります。最高のプレゼントをご用意しましょう。 ※四話完結

双子の片割れと母に酷いことを言われて傷つきましたが、理解してくれる人と婚約できたはずが、利用価値があったから優しくしてくれたようです

珠宮さくら
恋愛
ベルティーユ・バランドは、よく転ぶことで双子の片割れや母にドジな子供だと思われていた。 でも、それが病気のせいだとわかってから、両親が離婚して片割れとの縁も切れたことで、理解してくれる人と婚約して幸せになるはずだったのだが、そうはならなかった。 理解していると思っていたのにそうではなかったのだ。双子の片割れや母より、わかってくれていると思っていたのも、勘違いしていただけのようだ。

想い合っている? そうですか、ではお幸せに

四季
恋愛
コルネリア・フレンツェはある日突然訪問者の女性から告げられた。 「実は、私のお腹には彼との子がいるんです」 婚約者の相応しくない振る舞いが判明し、嵐が訪れる。

(完結)お姉様の恋人をとってもいいでしょう?(全6話)

青空一夏
恋愛
私と姉はオマール男爵家の長女と次女で、姉は屋敷から出て、仕事をして暮していた。姉は昔から頭が良くて、お金を稼ぐことが上手い。今は会社を経営していて、羽振りが良かった。 オマール家で、お兄様が結婚して家督を継ぐと、私は実家に居づらくなった。だから、私は姉の家に転がりこんだのよ。 私は姉が羨ましかった。美人で仕事ができてお金が稼げる・・・姉の恋人を奪えば・・・ コメディタッチの、オチがあるお話です。※現代日本によく似た部分のある西洋風の爵位がある不思議異世界もの。現代機器あり。