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3話
「今日はひとまずこれで失礼します」
「さっきから何なんだい! リルリナ王女! 雰囲気を台無しにするようなことばかり!」
本当のことを少し言っただけなのに逆ギレ。いや、もはや逆ギレにすらなっていないか。だが、何にせよ、突然大声を出すなんて情けない。私が帰ることのどこに問題があるのか。
とはいえ、こうも刺激されては、私も黙っていられない。
彼は何かを勘違いしている。
私は奴隷ではないし、ただの恋人でもない。いずれ妻になるであろう立場にある、一国の王女だ。その私に対して、異性とのいちゃつきを見せびらかしたうえ怒鳴るとは。
もはや、彼は今の状況を正しく理解していない、と理解せずにはいられない。
「……そんなに高圧的な物言いをして良いのですか?」
「何のつもりだ!」
「国と国の関係性、本当に分かっていらっしゃるのですか」
「なっ……そんなものを持ち出すとは! 何と野蛮な王女!」
野蛮な王女。それでも結構。野蛮だろうが野蛮でなかろうが、どうせ乱雑な扱いをするのだろう。それに、婚約者である私の気持ちなんて考慮しないのだろう。
それなら私も好きなようにする。
自由に勝手に振る舞わせてもらう。
フランクがこんな風に接してくるなら、こちらとて火花を散らさないために慎ましくする気はさらさらない。
「帰ります。失礼します」
私はその場から立ち去った。
◆
その後、私は親のところへ行き、事情を話した。
フランクにつきまとう女がいること。その女のわざとらしい褒め言葉を信じ、フランクが彼女に夢中になっていること。そして、こっそり関わりを持つのではなく、私に仲良さを見せびらかしてくること。すべてを話した。用があると呼び出しておいて二人で迎えてきたことも、もちろん伝えた。
結果、父親が責任を持って、王子の私生活を調査してくれることとなった。
現状ではいちゃいちゃしているという情報しかないが、もしも大人の関係があったなら、それは婚約破棄の十分な理由になる。そのための調査である。
調査は速やかに開始された。
私は結果が届くのをただひたすら待った。
「さっきから何なんだい! リルリナ王女! 雰囲気を台無しにするようなことばかり!」
本当のことを少し言っただけなのに逆ギレ。いや、もはや逆ギレにすらなっていないか。だが、何にせよ、突然大声を出すなんて情けない。私が帰ることのどこに問題があるのか。
とはいえ、こうも刺激されては、私も黙っていられない。
彼は何かを勘違いしている。
私は奴隷ではないし、ただの恋人でもない。いずれ妻になるであろう立場にある、一国の王女だ。その私に対して、異性とのいちゃつきを見せびらかしたうえ怒鳴るとは。
もはや、彼は今の状況を正しく理解していない、と理解せずにはいられない。
「……そんなに高圧的な物言いをして良いのですか?」
「何のつもりだ!」
「国と国の関係性、本当に分かっていらっしゃるのですか」
「なっ……そんなものを持ち出すとは! 何と野蛮な王女!」
野蛮な王女。それでも結構。野蛮だろうが野蛮でなかろうが、どうせ乱雑な扱いをするのだろう。それに、婚約者である私の気持ちなんて考慮しないのだろう。
それなら私も好きなようにする。
自由に勝手に振る舞わせてもらう。
フランクがこんな風に接してくるなら、こちらとて火花を散らさないために慎ましくする気はさらさらない。
「帰ります。失礼します」
私はその場から立ち去った。
◆
その後、私は親のところへ行き、事情を話した。
フランクにつきまとう女がいること。その女のわざとらしい褒め言葉を信じ、フランクが彼女に夢中になっていること。そして、こっそり関わりを持つのではなく、私に仲良さを見せびらかしてくること。すべてを話した。用があると呼び出しておいて二人で迎えてきたことも、もちろん伝えた。
結果、父親が責任を持って、王子の私生活を調査してくれることとなった。
現状ではいちゃいちゃしているという情報しかないが、もしも大人の関係があったなら、それは婚約破棄の十分な理由になる。そのための調査である。
調査は速やかに開始された。
私は結果が届くのをただひたすら待った。
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