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前編
しおりを挟む私には婚約者がいる。クルコという名の、二つ年上の茶髪の男性だ。彼と私は婚約者同士なのだが、彼は私を良く思っていないようで、ことあるごとに私に対して嫌みを言ってくる。出会った頃から今まで、彼はいつもそんな感じだ。彼は、口を開けばいつも、私に嫌な思いをさせるようなことを発するのだ。
「お前さぁ、ほんとさぁ、馬鹿っぽいつらしてるよなぁ」
彼に呼び出されたと思ったら、いきなりそんなことを言われた。
優雅にベッドに寝転びながら嫌みを言ってくるとは。
どうしたらそんなに性格が悪くなれるのだろう。
「何ですかいきなり。失礼ですよ。そんなことを言うなんて」
「失礼? は? 事実しか言ってないだろ。あ、あれか! 本当のことを言われたから怒ってるんだろぉ? それなら納得っちゃあ納得だな、はは!」
「はぁ……」
「何だ? 溜め息? ふざけんなよ! そういうとこだよそういうとこ、そういうところが可愛くないんだってぇ。女なら男の前ではいつも明るく忠実に振る舞えよぉ」
彼は横にしていた身体を縦にする。
「てことで、婚約は破棄な!」
彼がそう言った瞬間。
窓から丸太が飛んできて、彼の頭部に激突した。
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